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明け方小雨に変わった雨がようやくあがった。錦帯橋の屏風のような城山に霧がたなびく。傘を持った観光客の人たちが「きれい」「いい眺め」などと話しながらシャッターを押している。添乗のガイドさん「めった出会えない景色ですよ」とうまい事をいい観光の人たちを喜ばせている。こんな上手は許される。
城山のいただきにある岩国城は霧で見え隠れしている。錦帯橋下の観光用駐車場、車の数がいやに少ない。そのせいか、みやげ物店も暇そうに見える。餌をとる川鵜の姿が今日は見えない。どこで過ごしているのだろうか。
錦帯橋は木橋。こんな日は木材のしっとりとした質感がなんともいえない。建て替えのとき黄金色をしていた新しさ、数年を経て以前の重厚さを取り戻しつつある。橋の袂の山茶花、雨に濡れた花びらが重たそう。桜へのバトンタッチを待っているように思えた。
(写真:雨上がりでしっとりしている錦帯橋)