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「NHKのど自慢」は、1946(昭和21)年1月の放送開始というから60年以上続いている長寿番組である。発案は紅白歌合戦も企画したプロデューサーで、軍隊時代に経験した余興にヒントを得たという。かっては地方色豊かな出場者も見られたが、最近はそれらは少なくなり「プチ東京風」に変わった。これも時代だろうか。
そんなのど自慢、今日は岩国から生中継、オリンピック放送で30分遅れで始まった。知人も登場予定であったが、上手すぎて昨日の予選でことわられ、ちょっと寂しい放送となった。それでももしや知った人が、と思いながら終わりまで見た。何年ぶりだろう。
沖縄のお婆ちゃんへ、ブラジルの義母へと心を込めた歌唱に鐘の乱打。金婚式の母への歌も鐘三つ。親子が別々に出場など、偶然でないような偶然も演出されている。終わってみれば放送時間を短く感じる。よくいう「ひいきなもん」とはこんなことをさす。
9歳の女の子の歌が上手すぎて鐘を鳴らすのを忘れたというエピソードもある。その子が後の美空ひばり。古き時代には歌手登竜門のひとつにもなっていたのだろう。歌は心に通じるという、歌のある限りこの番組は続くのだろうか。
久しぶり素人の熱唱を聞いた。歌のうまい人はいいな~、と思いながら改めてうまくない自分を慰める。
(写真:岩国からののど自慢のフィナーレ)