
午前中の降水確率70%の予報の朝。元気な声で会話しながら近くの児童らは傘を持ち登校している。親の言いつけを守ってか、予報を見て自分の判断か分からないが傘持参は感心感心と雲を見ながらひとり思う。お早うございます、の挨拶も嬉しい。
登校の列に大粒の雨が降り始めた。赤、黄、青、白、桃、透明など色とりどりの傘の花が狭い裏通りに咲く。その鮮やかな色合いに、番傘主流の子どものころを懐かしく重ねる。児童らは近くに60数年前に卒業した小学校に通う年の大きく離れた後輩になる。
この小学校では連休中の日曜日に運動会予定。そのために練習は本番を迎えているだろうが雨で運動場での練習は中止のようだ。熱中症対策用のテントがさみしそうに並んでいる。この小学校の前身は明治2(1869)年からと沿革にある。長い歴史といえども世の変化に従うためか、来年度からは運動会が1学期に移行されるので9月運動会は今年で終わる。
1学期運動会実施のメリットにつて多く語られている。私が小学校に入学したのは昭和22(1947)年の義務教育6・3制になった年だったが、これまで運動会は9月と思いこんでいた。検討はされただろうが教育環境の変化は伝統をも容易に変える。澄んだ秋空の下での最後の運動会、しっかり記憶しておこう。