日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

パ~プ~

2015年09月23日 | 地域

 
 「パ~プ~」という聞き覚えのある音色が聞こえる。子どものころに金属製の小さな豆腐ラッパから聞こえてきたと同じ音。耳から入った音がいつに間にか「ト~フ~」と口から出て「ト」の右上がり「フ」の右下がり独特のイントネーションを真似ていた。聞こえてくる音は拡声器を通しているが「おいしい厚焼きもございます」と呼びかける。急いで外に出たが一足遅れ、通り過ぎた車の背中の「とうふ販売中」の文字は読めた。

 「とうふ」は大豆のしぼり汁(豆乳)に凝固剤(にがり)を加え固めた加工食品ということは誰もが知っている。東アジア地域では日常的に食されている。その加工法や調理法は各国それぞれだが、日本の豆腐は白く柔らかい食感で日本独特の食品となっている。英語圏やEUなどでも「TOFU」の単語として定着しているそうだ。

 そんな「とうふ」、漢字で書くと豆腐が元々の表現、しかし「腐」という字を嫌って豆富としたり泉鏡花は「豆府」と表したという。スーパーには産地も種類も様々な豆腐が並びCMで売り出しの商品名を見かけることもある。子どものころは小さな鍋などをもってお店に行く。店の片隅に置いた大きめのバケツに水が張ってあり、その中に豆腐は入っている。店の主人は素手ですくい上げ鍋に入れる。今は見かけない光景を思い出す。

 発酵食品の味噌、豆腐のタンパク質、野菜の栄養が摂れる味噌汁を食べる朝餉の場面は時代劇やその読み物では欠かせないシーン。その豆腐売り、天秤棒を担ぐ軽快な歩きだがセリフはないが欠かせない登場人物の一人。いまどき、豆腐ラッパを聞かせて豆腐を売る人がいる。次に聞いたら小さなボールを持って駆け出そう。
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