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第一生命保険の第35回サラリーマン川柳の応募総数6万2675句から投票によるベストテンが決まった。毎年、そうかそうなんだ、なるほどなるほど、うまい揶揄だなあー、そんな奴もいたいた、もしかしてこれは俺の事かよく見ていてくれる、時にはそうかなあ、など句ごとに「うまく詠まれてる」と楽しませてもらっている。
川柳は「文芸的本質として、短い中にも心理をずばりと突く寸鉄性(警句的性格)と知的な当意即妙生が内包されている」、15年くらい前に川柳を勉強しようと購入した参考本に記されている。川柳には独特の「目」がある。それは、生臭い生き様や人間関係の複雑な絡み合いに向けてその断面を一句にする力という。
サラ川の次回募集から「サラっと一句!わたしの川柳コンクール」との名称に変わるそうだ。サラ川は社内での募集でスタートしたが、投稿者は働く人に限らず主婦をはじめ幅広くなってきた背景がある。また、サラリーマン、これは男性を意味する言葉として長く使用された感があり時流を踏まえた変更のようだ。
「会社一番」そんなサラリーマン時代を生きて来た身には、サラ川は時代の移りを教えてくれる教科書でもあった。コロナから大きく変化した働き方、さらに進化するだろうが、人なくしてはそれはかなわない。社会がどう変化しても川柳的視点から世相を切る作品を期待している。
(今日の575) 川柳になれと毎晩指を折る