
先日、あるスーパーで声を掛けられた。「ご当地は初めてで、実家の父に酒を届けようと思っているですが、どれがお薦めですか」と初対面の若い夫婦に突然問われた。私がよほど飲兵衛に見えたのか、この高齢者なら美味い酒を知っているだろうと思われたのか、その辺は分からないが私に即答できる酒の知識はない。
我が家にある日本酒は4合瓶が1本あるが、それの開栓はいつだったか覚えていないくらい家では飲んでいない。これまで多くの宴席に出たけれども日本酒の記憶はあまりない。そんな私の目の前には市内の二つの酒蔵のよく知られた銘柄の酒が積み上げられている。どちらも飲んだことはあり、自分の口にあうかどうかで選べと言われれば選択はできるが、この場合、それは出来ないだろう。
「実家の父は日本酒だけ飲みます」という方への贈り物、そんな方へ飲まない私が推薦できない。ということで、二つの酒蔵について知っていることを話し、「二人からの贈り物ならお父さんは喜んで召し上がられますよ」と無責任な答えだが二人で選ぶことを薦めた。ほかにも酒蔵のあることは伝えた。
特産のレンコンならこんなのが美味い、と少しは話せるが酒の選択には困った。と言って、そんなために日本酒を飲み始めるわけにもいかない。日本酒は飲む人によって味わいや美味さが違う、知人の日本酒党は銘柄につられるな、とよく言っていたことを思い出す。
(今日の575) 息子らが選んだ酒の酔いふかし