1960年代なかば、
劇団では『日本の気象』の上演を考えていた。
その当時の作品の著作権者は、
養女のMさんと、
物理学者のT氏だった。
Mさんは上海での事業を成功させ、
ほぼ日本にはいない。
そこでタリさんは、
上演許可をもらいに、
T氏に会いに行った。
初対面だったT氏は、
タリさんにこう言ったという。
「一言一句変えてはならないし、
カットもダメ。・・・
・・・ところで、君たちの劇団は、
A、B、Cの何ランクだい? 」
だいたい、
ノーカットの上演だと4時間を越える芝居。
(今回も4時間弱ですが・・・)
まして、
時代の情勢を描いた作品。
一言一句変えずに上演なんてできるはずがなかった。
そして、
何より腹立たしかったのは、
ランクで人を判断しようということが気に入らなかったらしい。
タリさんは、
「もちろん、 Aランクです」
と答えて帰ってきたらしい。
その結果、
『グスコーブドリの伝記』を書き上げたのは、
皮肉な話だ。
テクノクラートの生き方が問われる作品。
上演を妨げたのがテクノクラートといのも、
重ねて皮肉な感じだ。
それから約40年後の2004年、
T氏はすでに亡くなり、
Mさんから上演が許可された。
タリさんの永年の夢が叶ったのだ。
公演は成功と言えただろう。
Mさんからは次の作品『林檎園日記』の上演が約束された。
これもまたお陰様で好評でした。
久保栄とタリさん。
Mさんの話を聞くと、
二人が生きているうちに出会っていても、
仲良くやれたかなぁ・・・。
いま、 一つの戯曲を通して、
二人の演劇人と出会える。
久保栄が最後の夢を託したとも言える戯曲。
再び権力が人間の可能性を押し潰し始めた時代。
若きテクノクラートたちは、
自らの足で立とうとしていた。
若き日のタリさんが憧れた作品。
Aランクって難しいけど、
自分たちが、Aランクだって言える芝居には、
近づきたいと思っている。
ブレヒトの芝居小屋での上演を終え、
今週末4日から、両国・シアターXでの公演となります。
劇団では『日本の気象』の上演を考えていた。
その当時の作品の著作権者は、
養女のMさんと、
物理学者のT氏だった。
Mさんは上海での事業を成功させ、
ほぼ日本にはいない。
そこでタリさんは、
上演許可をもらいに、
T氏に会いに行った。
初対面だったT氏は、
タリさんにこう言ったという。
「一言一句変えてはならないし、
カットもダメ。・・・
・・・ところで、君たちの劇団は、
A、B、Cの何ランクだい? 」
だいたい、
ノーカットの上演だと4時間を越える芝居。
(今回も4時間弱ですが・・・)
まして、
時代の情勢を描いた作品。
一言一句変えずに上演なんてできるはずがなかった。
そして、
何より腹立たしかったのは、
ランクで人を判断しようということが気に入らなかったらしい。
タリさんは、
「もちろん、 Aランクです」
と答えて帰ってきたらしい。
その結果、
『グスコーブドリの伝記』を書き上げたのは、
皮肉な話だ。
テクノクラートの生き方が問われる作品。
上演を妨げたのがテクノクラートといのも、
重ねて皮肉な感じだ。
それから約40年後の2004年、
T氏はすでに亡くなり、
Mさんから上演が許可された。
タリさんの永年の夢が叶ったのだ。
公演は成功と言えただろう。
Mさんからは次の作品『林檎園日記』の上演が約束された。
これもまたお陰様で好評でした。
久保栄とタリさん。
Mさんの話を聞くと、
二人が生きているうちに出会っていても、
仲良くやれたかなぁ・・・。
いま、 一つの戯曲を通して、
二人の演劇人と出会える。
久保栄が最後の夢を託したとも言える戯曲。
再び権力が人間の可能性を押し潰し始めた時代。
若きテクノクラートたちは、
自らの足で立とうとしていた。
若き日のタリさんが憧れた作品。
Aランクって難しいけど、
自分たちが、Aランクだって言える芝居には、
近づきたいと思っている。
ブレヒトの芝居小屋での上演を終え、
今週末4日から、両国・シアターXでの公演となります。