a letter from Nobidome Raum TEE-BLOG

東京演劇アンサンブルの制作者が、見る、聞く、感じたことを書いています。その他、旅公演や、東京公演情報、稽古場情報など。

ロシアの作家、日本の作家。

2008-07-07 16:43:19 | 東京公演
今度のこどもの劇場は、
ロシアの作家、マーミン・シビリアーク(言語学的にはシビリヤークが正しいそうです)、
という人の原作です。
シビリヤークというのは、
本名ではなく、ペンネーム。
ロシア語のシベリアの人、という意味。
19世紀後半から20世紀初頭には、
シベリアというのはロシア中央から東はすべて、
“シベリア”と呼ばれていた。
ウラル出身のシビリヤークは、
ペテルブルクの大学を出た後、
身体が弱いこともあり、なかなか定職に就けず、
文筆業で細々と生計を立てていた。

同世代の作家には、すでに著名人となっていた、
チェーホフや、ゴーリキーや、マルシャークらがいた。
程なく、故郷のウラルに戻り、
同業者らの後押しもあって、
ウラル地方の文化人との文化運動を始め、
結婚し、かつかつながらも作家としての生活を続けていた。

そんなある日、ペテルブルクから来た劇団の女優と恋に落ちた。
燃え上がった熱情は冷めることなく、
二人はペテルブルクで暮らすことになる。
お互いに結婚している身でありながら・・・。
程なく子どもが生まれる。

しかし、難産のため母親は死んでしまう。
残されたのは、歳の離れた父娘。
父はシビリヤーク、娘はアリョーヌシカ。

アリョーヌシカは、両親に似て、
とても身体が弱く、
いつも寝たきりだった。
父が話してくれる物語が、
アリョーヌシカのすべてだった。
『パパおはなしして』は、
父・シビリヤークが、娘・アリョーヌシカに贈った、
世界のすべてを伝える物語だった。

日本で翻訳されている書籍は、
今回公演する『パパおはなしして』のみ、
アメリカでは、全集が60冊もあるという。
一方、ロシアでは、全集はないとか・・・。
心温まる物語だけでなく、
ロシアの厳しい自然や、現実を伝える物語です。
たくさんのお話の中で、
『カナリアがからすと暮らしたというはなし』を舞台化します。

良かったら、ぜひ観に来てください!

特に、お子様のいらっしゃるお父様、お母様。
ご連絡お待ちしております!!

劇団の主催公演は以下の日時です。
7/20 日 15:00 東京・東京都児童会館(渋谷)

ほかの日程もお知らせしておきます。

公演日程
7/9 水 18:00 神奈川・茅ヶ崎市民文化会館
7/13 日 16:00 神奈川・エポックなかはら
7/14 月 18:30 神奈川・エポックなかはら
7/16 水 18:30 神奈川・麻生市民会館
7/17 木 16:00/18:30 神奈川・幸市民会館
7/18 金 18:30 東京・大田区民プラザ
7/19 土 15:00 神奈川・藤沢市民会館
7/20 日 15:00 東京・東京都児童会館(渋谷)
7/21 祝 15:00 神奈川・横須賀芸術劇場ベイサイドポケット



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で、日本の作家さん。
4月に亡くなった小沢正さんの偲ぶ会に行ってきました。
小沢さんの作品は、
『めをさませトラゴロウ』、
『こぶたのかくれんぼ』、
『ちゅうたのくうそう』と、
3作品を舞台化しています。

演劇関係者の会とは違って、
また、すっきりしていて、
スマートな会でした。
僕のイメージの小沢さんのシニカルな感じは、
なんだか鳴りを潜めていたけど・・・。

大学時代には、
日本の“童話”を否定する運動を起こしたという。
それはそれは、センセーショナルだったことだろう。
しかし、
そんな同人誌も、4号で終わり、
次の同人誌も3号で・・・。
その辺が、小沢さんらしい、かな。

演劇関係者は僕らだけで、
出版者やら作家やらで、
若干部外者的でしたが、
参加できて良かった。
親しく、しょっちゅう会っていた人ではないけど、
作品を通して、
ものすごく良く知っているというか、
近くにいる気がしていた人だった。

実行委員には、
神沢利子さんとかがいて、
片山健さんが来ていて(生で見るのは初めて!)、
好きな作家2人に、期せずして会えました。

絵本とか、児童文学好きな人は、
絶対知ってる名前!!
あとは、蛭子能収さんが来てたのも、
ちょっと、びっくり。
こんな感じでした。



また、
小沢さんの作品は、 やりたいな。
ぼくが、一番大好きなうちの芝居なんですよねぇ。
それも、これも、
原作の力です。