a letter from Nobidome Raum TEE-BLOG

東京演劇アンサンブルの制作者が、見る、聞く、感じたことを書いています。その他、旅公演や、東京公演情報、稽古場情報など。

52年ぶり、伊那谷。

2010-06-03 16:16:16 | 旅公演
旅の初日横須賀公演が無事に終わり、
先週末には、
念願かなった『明日を紡ぐ娘たち』の伊那公演が終了しました。
52年ぶりの伊那での公演は、
急な取り組みにもかかわらず、
実行委員会のみなさまの奮闘で、
何とか無事終了することができました。

思えば、
無謀とも思えるような伊那での公演でしたが、
しかし、一方では、
紡績で働き、自分を育ててくれた自分の姉のためにも、
伊那で公演するべきだ、
と語ってくれた小林実行委員長をはじめ、
取り組の中で、多くの人と、
出会うことができました。

特にマチネの公演では、
この舞台の実際のモデルとなった「生活を記録する会」の娘さんたちや、
同じような世代の方が多く、
劇場空間が本当にあたたかで、
この舞台のクオリティを1ランク押し上げてくれるような、
そんな空間になったように思います。

翌日には、
「生活を記録する会」のみなさまと交流を持つ事が出来ました。
彼女たちは、80を越えてもなお、
お互いに“仲間たち”と呼び合っていて、
今もまだ続いている、現在進行形のサークルであることを実感しました。
そこでいろいろとお話しをしたのですが、
いくつかご紹介したいと思います。

「チケットを100枚くらい売ったと思う。
最初は今の自分たちには無理だと思ったけど、
やればできるんだな、と思った。」

「今この芝居を観て、
15才から仕送り娘に頼んで生活をしていた母は、
いったいどんな思いでいたのだろうか。
孫がその年齢になってきて、
考えるようになったのかもしれない。」

「観劇した友達から、
あの中に自分もいるんじゃないかと思った、
なんて話も聞いた。」

「今の人達にわかるかなぁと思ったけど、
やって良かった。
娘や孫が、
「あんなだったの?」って聞いてきた。
そういう体験をすると、
やる前は不安で不安でいたけど、
やることにして、本当に良かった。」

等々と、話は尽きませんでした。

僕たちにとって、
この『明日を紡ぐ娘たち』は創造に原点。
自分たちが、どんな集団になりたいのか、
その思いが込められている。

旅公演も残すところ、あと1ステージ。
埼玉・大宮での公演を残すのみです。
ご都合がつくような方は、
ぜひ、このチャンスをお見逃しなく!!

明日を紡ぐ娘たち
6月4日(金)
18時15分開演
さいたま市 プラザノース(ニューシャトル・加茂宮駅下車)
http://www.plazanorth.jp/
一般3,000円 高校生以下2,000円
当日のお申し込みは、048-653-9255(プラザノース)にて、
「明日を紡ぐ娘たち」実行委員会あてでお願いいたします。