a letter from Nobidome Raum TEE-BLOG

東京演劇アンサンブルの制作者が、見る、聞く、感じたことを書いています。その他、旅公演や、東京公演情報、稽古場情報など。

TEEリレートークVol.8 『出発点』 永野愛理

2018-11-17 22:16:20 | 劇団員リレートーク


奈須さんからバトンタッチ!!
こんにちは、永野愛理です。
奈須さんも書いてくれましたが、3年前まで『銀河鉄道の夜』にて、たあちゃんを演じておりました。
銀河の旅で奈須さんとツイン部屋になるとおしゃべりが止まらず、
2人して「わあこんな時間だ、寝よ!」と電気を消してベットに入ったにも関わらずベットの中でもまだおしゃべりが続く、
ということがしばしばあったことを思い出します。笑

思えば、私がブレヒトの芝居小屋で初めて観た東京演劇アンサンブルの公演も『銀河鉄道の夜』でした。
天井から鳥が飛んでくるわ、
人が瞬間移動するわ、
この小屋どうなってんの!?
地下通路とかあるんじゃないの!?
とまんまと魅了されておりました。

2011年に入団した私の劇団での最初のお仕事はなんと大道具倉庫を作ること!
芝居より先に水平器とインパクトの使い方を教わりました!笑
劇場もロビーも先輩方が一枚一枚床板を貼ったんだよ、と言われ、
ひえ~家まで作っちゃうのかこの劇団は!
とびっくりしてはいましたが、
それまで演劇経験のなかった私にとって『自前の劇場を持っている』という贅沢さにいまいちピンと来ていなかったりもしました。
それが今となっては、ここブレヒトの芝居小屋がなくなるという実感が全く持てないほどには、なくてはならない生活の場となっています。
公演するのも、
稽古するのも、
大道具作るのも、
衣裳ちくちく縫うのも、
勉強会開くのも、
憲法集会やるのも、
名物の手描き看板を描くのも、
打ち上げするのも、
旅に出発するのも、
旅から帰ってきて缶ビール片手にぐだくだするのも、
ぜーんぶここなのです。

いろんな団体の方々がこのブレヒトの芝居小屋の最期を惜しんでくださり、
有難いことに移転までにブレヒトの芝居小屋を使って公演がしたいという依頼がたくさん舞い込んできました。
私たちが地方公演で東京にいない間にも、ブレヒトの芝居小屋は毎日フル稼働しています!

そんな中、来年1月のスープ劇場企画『怒りをこめてふり返れ』の稽古も並行して進んでいます。





普段は読み稽古の場合、小稽古場と呼んでいるロビースペースを使うのですが、
貸出中のため稽古をするスペースがない日もあり(スープ劇場はスキマ産業(!)なので)、
そんな時は近くの区民館などを借りたりしています。




普段他所を借りるということをしないもので尚更
「あぁ~いつでも稽古ができる場所があるってなんて贅沢なことだったんだぁ~」
と今更実感したりしています…。

スープ劇場という企画は
「ブレヒトの芝居小屋に行けばいつでも芝居を観られる、そんな空間にしたい」
という想いから軽いフットワークでいろんな芝居ができるようにと発足したものです。
つまりブレヒトの芝居小屋があったからこそ出来た企画なんですね。
『怒りをこめてふり返れ』がブレヒトの芝居小屋でのスープ劇場企画のラストになります。
芝居小屋への敬意と、“今”、“ここで”、“私たち”ができること、やりたいこと、やらねばならないこと、
を詰め込んで一日限りの公演にぶつけます。
願わくば移転先でも規模は違えどこんな企画ができたらいいな…

さて、次にバトンを渡すのは冨山小枝!
『銀河鉄道の夜』カムパネルラ役でもう? 8年ですかね?
たあちゃんが私になる一代前にたあちゃんを演じていたのがさえさんです。
さえさんとはとある同盟仲間といっても過言ではないのですがちょっとここでは言えないな!?笑
さえさんよろしくお願いしまーす!!