こんにちは、雨宮大夢です。
先週の『怒りをこめてふり返れ』の公演が終わり、
既に次の『クラカチット』へ向けて準備を進めています。
先輩方のような凄まじい裏話は持っていないので、
僕はアンサンブルの裏側というか、
皆さんが知らない非公式なグループのエピソードのことを書こうと思います。
東京演劇アンサンブルの中に各劇団員で組織される色々なグループがあります。
例えば
・運営委員会
・先のり
・企画室
・ケンタウルス
などがあり、これらのメンバーは一年を通して活動し、
年数回の劇団総会で日々の活動を報告します。
しかし、これらの他に非公式な"部活"があるのを皆さんはご存知でしょうか。
僕が所属しているのだけでも
・湯部(副部長)
・サーターアンダギー部(部長)
・麻雀部
・ランニング部
・筋トレ部
等があります。
他にも
・野球部
・カラオケ部
・マンガ部
などがあるそうです。
入部条件などもあまりないため、多分、全てを把握してる劇団員は居ないと思います。
そして今日は数ある部活の中でも知る人ぞ知る「夜部(よるぶ)」についてご紹介しようと思います。
我らのブレヒトの芝居小屋は24時間、好きなように使えるというのが一つの特徴です。
深夜、人が誰もいなくなった劇場に入りこみ、活動する人たちを「夜部員」といいます。
稽古期間中であれば 実際のセットが組んであることもよくあります。
そこで、実際に動いてイメージを固めたり、人の芝居を真似してみたり、稽古場では歌えないような歌を大声で歌ったり。
仕事がたまってる人は朝まで仕事してたり。
「遅くまで残ってりゃ良いってもんじゃねぇ!」と次の日の稽古で怒鳴られることもあることです。
一つエピソードを。
僕が劇団に入って2年目、初めて本公演『僕はエルサレムのことを話しているのだ』の稽古期間中のことです。
この日も稽古が全然うまくいかなかった僕は深夜2時頃おもむろに劇団に行きました。
そうすると、中から誰かの声がするじゃありませんか!
覗いてみると、中には当時研究生(19歳!)の和田響きが練習してるじゃありませんか!!
話してみると彼も「稽古を見て身体がうずうずしてきたから、なんとなくきちゃいました」といって、
手元にはシェイクスピアの作品が。
そこから一気に意気投合して、公家さんと大多和さんのシーンを二人で読んでみたり、滑舌勝負したり盛り上がりました。
結局その後もしょっちゅう芝居の話ばっかりしてて、先日の『怒りをこめてふり返れ』にたどり着いたりするわけです。
こういった出会いが年に数回はあり、その度にお互い「やってるね」と思い、ニヤリとするわけです。
今、アンサンブルでは劇団員全員で移転先を探していますが、まだ確定はしていません。
候補先には"ビルのワンフロア"というところもあります。
場所によってはセコムやアルソックがあって、朝8時から夜10時まで、なんてこともあるわけです。
大多数の劇団はそうなのでしょうが、夜部に入っているメンバーからすると少し寂しく、
引き続きこのような深夜の出会いがある場所だと良いなぁ、なんて思ってます。
こんな24時間エネルギーに満ちた空間「ブレヒトの芝居小屋」での公演も3月20日~31日の『クラカチット』で最後です。
是非、ご来場ください!!