a letter from Nobidome Raum TEE-BLOG

東京演劇アンサンブルの制作者が、見る、聞く、感じたことを書いています。その他、旅公演や、東京公演情報、稽古場情報など。

TEEリレートークVol.19 『繋がれる場』 山﨑智子

2019-02-09 13:46:50 | 劇団員リレートーク


皆さんどうもこんにちは、
辻尾さんから引き継ぎ今回リレートークを担当しますのは山﨑智子です。

私は劇団に入団してかれこれ八年目になります。
今思えばあっという間だったような気もしますが・・・

八年前・・・研究生として劇団に入った時、
劇団では改装工事をしていました。
舞台の道具や木材などをしまう為の倉庫を二つ。
劇団員が総出になって土台から…確か朝十時頃から始まって皆でお昼を食べ、
また続きを…という感じだったかと思います。
大工でもないのに自分達で倉庫を作るなんて…
この劇団の人は一体なんなんだと思いつつそんな時間がとても楽しかったなぁ…なんて。
新しい事を覚え、見て、聞いて、その世界何もかもが新鮮でした。





暫くすると銀河鉄道の夜の稽古(旧メンバーによる)が始まりました。
私や他の同期も演出助手やキャストとして稽古に参加しました。
(この時はまさかその数年後自分がジョバンニを演じる事になるとは思ってもみませんでしたが…)

朝から倉庫作りをし、
夕方から稽古をし、
夜には銀河鉄道の夜の舞台装置の直しをし…
本当に朝から晩まで劇団で過ごしました。
当時私は自宅から電車で通っていたのですが、
終電というタイムリミットが鬱陶しくて仕方ありませんでしたね。



少しずつ劇団という空間が私にとってとてもとてもかけがえのないものになっていったんです。
そしてそこに集まる人達が。
在り来りですが、本当に家族のようで。
沢山のお父さんやお母さん、お姉さんお兄さん。
居心地がいい居場所。
時には逃げ場になり…
いつだって帰る所がある。
そう思っていました。
今思えばなんて贅沢だったんだろう。



正直、今でもブレヒトの芝居小屋から離れなければならないという現実を実感出来ていないところはあります。
これからも、2年後も、5年後も、ずっとここには人が集まって繋がっていくんじゃないかなんて思ったりしています。
本当はそうだったら良かった。
けれど弱音ばかり吐いてはいられません。
私達は変化し、動き続けなければ。
前を向いて歩かなければ。
新しい拠点。
人が集まり、繋がれる場所を求めて。
ブレヒトの芝居小屋がそうであったように。
そう言えば私は無機物と会話するのが好きなんですが(所謂独り言)芝居小屋とはまだ一度も話した事がありませんでした。
今度ゆっくり話してみようかな。



それでは次回から三月公演クラカチットの稽古場よりリレーしていきます!!
きくえちゃーーーん!!!!!