『彼女たちの断片』野火止RAUMでの稽古最終日、作者石原燃さんが、通し稽古に。
なんだか生まれたばかりの赤ちゃんが、お母さんに初めて会った時のようだななんて、ドキドキしました。7人の女優たちが、それぞれの人生の中での曲がり角だったり、傷あとだったりが、フラッシュバックしたり、書かれた科白を口にする中で、よぎり、たじろいたり、赤面したり、涙を流したり。
戯曲は既に何作も舞台化され注目されている石原燃さんが、2020年に初めて書いた小説『赤い砂を蹴る』をご自身のお母様に捧げた生きていく決意のように感じている私は、この芝居をその姉妹篇だとも感じています。私たち東京演劇アンサンブルに書き下ろされた芝居、それを演じる喜びを今噛み締めています。芝居の稽古ばかりでなく、道具つくり、舞台の仕込み、当然のようにこなしていく女優たち(私以外)は凄いエネルギーです。そしてコロナ、ウクライナ、現実世界の動きに、大きく揺すられながら、今芝居をすることを問われ続けている中での初日ご期待ください。スタッフ、作業に携わってくれている出演しない他の劇団員、男性たちにも感謝。
女性であるために抱えてきた悲しみや、他人に言えなかったこと、声に出してみたことで、拓けた世界。あらゆる性の観客の皆さんと劇場で出会える時間が楽しみです。
志賀澤子
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TEE 東京演劇アンサンブル公演
彼女たちの断片 作/石原燃 演出/小森明子
—公演日程 —
2022年3月23日(水)~3月27日(日)
★=Low Price Day
—会場—
渋谷区文化総合センター大和田・伝承ホール
—チケット—
全席自由/チケット発売順に整理番号発行・整理番号順の入場
料金:前売一般/3800円
前売U30/3000円
★=Low Price Day/2500円
ペアチケット/6000円(2枚セット)
当日/4500円
TEE Webチケット
助成:文化庁舞台芸術創造活動活性化事業
協賛:ケンタウルスの会(TEE友の会)
観劇における新型コロナ感染症対策ご協力のお願い
当日券につきましては、劇団Facebookページ、Twitterにてお知らせします。
—スタッフ—
音楽/国広和毅
舞台美術/香坂奈奈
衣裳/稲村朋子
照明/真壁知恵子
音響/川崎理沙・島猛
映像/三木元太
宣伝美術/ Judith Clay・奥秋圭
舞台監督/浅井純彦
演出助手/黒川アンナ
制作/太田昭
制作助手/志賀澤子
—登場人物 —
静谷晶(44)グラフィックデザイナー
洪美玉
天野ゆき(44)グラフィックデザイナー
原口久美子
高崎涼(35)グラフィックデザイナー
山﨑智子
静谷葉子(70)日仏翻訳者 晶の母
志賀澤子
天野みちる(20)大学生 天野の娘
永野愛理
多部真紀(20)大学生 みちるの友だち
仙石貴久江
水越まゆみ(52)喫茶店店員 葉子の友だち
奈須弘子
—あらすじ—
大学生の多部が望まない妊娠をしてしまった。
友人みちるに相談して、海外の支援団体から「中絶薬」を送ってもらって中絶することにした。
みちるの母の同僚である涼にカードを借りて送金し、薬は届いた。
中絶薬は二種類、2日間かけて飲む。海外では広く普及している薬だが、日本ではやっと承認申請するところだ。(2021/12/22申請)
安全な場所は?と考えた末、やはり母の同僚の晶に頼んで泊めてもらうことにした。
この物語は2日目の薬を飲む一夜を描く。
みちるの行動に不信を覚えた母・天野が、晶の家に乗り込んでくる。行動的なみちるだが、母親とはあまり口をきかず、わだかまりを抱えていた。みちるの妊娠を疑った天野に、多部が、自分が妊娠したのだと告げる。
一方、晶の母・葉子の友達で、総菜の宅配をしているまゆみも定期便を持参した。
この7人の女たちが、中絶の一夜を過ごすことになる。
中絶薬のこと、日本の医療のこと、生殖をコントロールする国家、その歴史などが語られる一方、7人のそれぞれが抱えてきたこと…妊娠、中絶、性、レイプ、家父長制、優生思想等が、モノローグや一対一の会話、更にみんなとのお喋りのなかで語られる。
多部は、6人の大人たちによって守られるなかで、無事に終えることができた。 7人の女たちは、それぞれ、この一夜の経験を持ち帰っていく…。
彼女たちの断片 HP
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