空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

「○○人は進入禁止!」看板の一事例

2017-12-26 12:00:53 | ノート
BBC Field Farm Fisheries' 'no Polish' sign taken down 24 December 2017

The owner of a fishery which displayed a sign banning Polish and "Eastern bloc" anglers says it has been taken down after his family received threats
Billy Evans of Field Farm Fisheries said the sign went up because he had caught anglers stealing fish. He said he now may also shut the fishery

 養魚場のご主人が、泥棒の出没に業をにやして「ポーランド人や東側の人間は入るんじゃねえ」って看板つけた。まあそりゃダメだろな。とはいえ、商売でやってるところ、盗みに入られてもなあ…ということもあり。

 何が・何処まで許されるか、出していいか・せざるをえないか―。
 大変勉強になるし、授業の話題にも使えそう。なのでメモを取りつつ読む。

The Equality and Human Rights Commission says the sign was unlawful.

 これは当然。

It had warned it would take "enforcement action" if necessary

 勿論のこと。社会の分断を進め、国籍差別・民族差別を進めようとするものになりかねないものに、それなりの強制力を発揮するべき場面はあろう。ただし

Mr Evans told the BBC: "The sign has been removed because of threats to my family.

 ”個人的警察”が活動している気配もあり、これはこれで悪行なので注意すべき。

He added: "I do not tolerate thieves, wherever they come from."

 中核的課題は本来コレなのであり、この点の解決・対策がなされるべきところ…。

 …(ときおり仲介業者のピンはねのせいで)安給料で働いてるポーランド人とかがこっそり…なんて例が複数例発生し、それで「ポーランド人お断り」になったものだろう、と忖度してみる。流行だし。この点は”外国人労働者の強いられた貧困”テーマでいける。

The project website explains that anglers from countries such as Poland have traditionally caught fish "for the pot", whereas in Britain anglers generally return fish to the water

 とまあ、ブリテン人がキャッチアンドリリースでゲームとして釣りをする一方、ポーランド人はなべにして食べるために釣るのも一因という。

 とまあ、ゲームと食という微妙に私的なラインに触る例である。
 この場合、『魚なら、店で買えばいいじゃん(いうて、そこまで貧乏というわけじゃないだろうし)』という「解決案」はある。えげつない奴隷労働は、そりゃあるにはあるだろうが、えげつなさが進むと釣りにいくことさえできなくなろう。ということは、けっしてモノが買えないほどではない(しかし大物を買うにはちょっと、かなり厳しい)程度だろうことは想定可能であり、まあ「よき市民」として妥協点を探せなくはない。多分。

 …別に美術館で飼っている鯉を「おいしそうですねえ」という東南アジア人・南アジア人が、かならず美術館に忍び込んで錦鯉をかっぱらってくるわけではない。日本人は、いくら魚が好きだとは言え、必ず釣った生魚を素で齧るわけではない。もしいたらそれは河童の子孫なので別に保護してもらいたい。イギリス人やフランス人は、ウサギを食べるとはいえ、飼育係の飼ってるウサギをさばきに小学校に入り込むわけではない。もし侵入者がいたとしたら、たぶんロリコンショタコンの可能性のほうがたかい。たぶん。

 ところがコレがもう少し私的な、よりプライベートなところに触れるものなら…と、いわゆる異文化接触の話にもっていける。
 なかなか掘り甲斐のあるお話である。お魚絡みというのがさらに趣味にあう(私の)。

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