BBC Japan PM Shinzo Abe in Islamic State 'hostages' vow 20 January 2015 Last updated at 13:26
身代金を払わなければ、確保済みの人質2名を殺すぞ、とIslamic Stateが日本に脅迫を仕掛けてきた。また、IS対策で資金提供するのも宜しくないのだと日本の中東政策を非難する。安倍首相は許しがたいことだとし、人質の生命確保を求める意向。
問題になっている人質は著名なフリーランスジャーナリストと説明が付いているKenji Goto氏と、シリアで民間軍事会社を設立しようとしたという謎めいた人物Haruna Yukawa氏。
これは下種の勘繰りと言わねばならない。
いやだってなあ。
日本は、いつもどおりのお花畑人道主義路線で、難民救助の人道支援をやります、と言っているわけなのだから。
ふつう、アルカイダやタリバンの類だったら、『そーぅかい、じゃあアガリよこせや』で、彼らの支配地域に対する外国の支援団体から「関税」をとって、時々『アメリカのスパイやろ、おどれら』と脅しをかけて「関税」引き上げとかするくらいするのに、Islamic Stateはアルカイダもどんびく基準で人質を殺しまくり。
基本、交渉の余地が無い。―彼ら自身が、彼ら自身をそのように規定し、構築してきた。
なおBBCの記事には、福田元首相のようなことは安倍首相はするまい、とされる。一般大衆は当該の人物たちへの共感をあまり持たないだろうという分析が載っている。
ジャーナリストはある意味、仕方ない。彼らは、特にこうした勢力が支配する地域では、プライドを捨てるか命を捨てるかの決断を迫られる。この彼だって、ISに永遠の忠誠を誓い、IS賛美の記事を配信することで命をながらえる余地がなくもなかっただろう(もちろん、そうであってもこのタイミングで「使用」する価値のほうが大きければ、ISはこのように「使用」するだろうが)。
Haruna Yukawa氏は、うん、すげえ書かれ方をしていて。
さておき、勘繰り氏の如き人物は、おそらく安倍首相を嫌っているのであろう。この際、その嫌う相手に「道徳的退廃」「残虐趣味」のような属性を(おそらく当人としては極めて合理的と信じる推論でもって)与えるのは、しかしながら、ほめられたことではない。
さらに言えば、彼の言う「安い買い物」で犠牲になるのは、有能なジャーナリストと単なる夢見る中年男性である。その罪は、せいぜい、それぞれ「蛮勇」と「愚劣」とくらいであって、必ず死を結果するべき罪とはいえない(いや場所が場所だから自動的な死を結果することもあるんだけど)。
にもかかわらず、その、我らが同胞たる人物の生命二名分をめぐる発言を「安い買い物」と言うのは、同胞に対する敬意を欠いたものと言われ得るだろう。
いやもちろん、直接には”2億ドルあげるっ”という文章の短さ、すなわち発声に関わる労力の少なさに対して「安い買い物」という文脈なのだが、しかしこの2億ドルは、あるいはYazidisを救援するためにもなろう。
重いのだ、これは。
するとコレに対して「安い」というのは、IS関連で巻き起こっている戦乱で塗炭の苦しみを舐めている人々の存在を軽んじることにつながる。
まあたまには小説を書いてみよう。悲惨な物語なんか、えらくありそうである。たとえば:
MAINICHI Islamic State group releases 200 captive Yazidis in Iraq January 18, 2015
Yazidisのじさまばさまが、まあ足手まといだというのでISから解放されたというわけなのだが。
(若い)女性は連れ去られたままだったりするのだな。
つまりじさまばさまは、我が娘・嫁・孫が性奴隷にされた・される予定というのを眼前でみたり、想定せざるをえなかったりするわけだ。
解放されても身よりもなくて、それなら自殺のひとつもかましたくなろうというところだが、そーゆー時にあったかい飯のひとつも食わせてもらえれば生き延びる気も起きるかもしれんし、あるいは心置きなく死ねるかもしれんし。
こういう人たちに対する、せめてもの人間的取り扱いの一助となるべきものだ、その例の2億ドルは。
重いものなのだ。軽々しく、安易な政権批判の小ネタにこれを使うのは、その人の見解の軽重に関わろう。
そりゃそうでしょうねえ。
私ですら、ちょっと詳しいことを…と思ったときには、日本の新聞を開いたりしないものね。
身代金を払わなければ、確保済みの人質2名を殺すぞ、とIslamic Stateが日本に脅迫を仕掛けてきた。また、IS対策で資金提供するのも宜しくないのだと日本の中東政策を非難する。安倍首相は許しがたいことだとし、人質の生命確保を求める意向。
問題になっている人質は著名なフリーランスジャーナリストと説明が付いているKenji Goto氏と、シリアで民間軍事会社を設立しようとしたという謎めいた人物Haruna Yukawa氏。
安倍ちゃんの計算としては、「中東各国に2億ドル出すっていうたら、イスラム国から喧嘩売られた。これで、『テロと戦う 普通の国・日本』が手に入ったんだから、安い買い物。」ぐらいの計算してんじゃないかな。
— 菅野完 (@noiehoie) 2015, 1月 20
これは下種の勘繰りと言わねばならない。
いやだってなあ。
日本は、いつもどおりのお花畑人道主義路線で、難民救助の人道支援をやります、と言っているわけなのだから。
ふつう、アルカイダやタリバンの類だったら、『そーぅかい、じゃあアガリよこせや』で、彼らの支配地域に対する外国の支援団体から「関税」をとって、時々『アメリカのスパイやろ、おどれら』と脅しをかけて「関税」引き上げとかするくらいするのに、Islamic Stateはアルカイダもどんびく基準で人質を殺しまくり。
基本、交渉の余地が無い。―彼ら自身が、彼ら自身をそのように規定し、構築してきた。
なおBBCの記事には、福田元首相のようなことは安倍首相はするまい、とされる。一般大衆は当該の人物たちへの共感をあまり持たないだろうという分析が載っている。
ジャーナリストはある意味、仕方ない。彼らは、特にこうした勢力が支配する地域では、プライドを捨てるか命を捨てるかの決断を迫られる。この彼だって、ISに永遠の忠誠を誓い、IS賛美の記事を配信することで命をながらえる余地がなくもなかっただろう(もちろん、そうであってもこのタイミングで「使用」する価値のほうが大きければ、ISはこのように「使用」するだろうが)。
Haruna Yukawa氏は、うん、すげえ書かれ方をしていて。
さておき、勘繰り氏の如き人物は、おそらく安倍首相を嫌っているのであろう。この際、その嫌う相手に「道徳的退廃」「残虐趣味」のような属性を(おそらく当人としては極めて合理的と信じる推論でもって)与えるのは、しかしながら、ほめられたことではない。
さらに言えば、彼の言う「安い買い物」で犠牲になるのは、有能なジャーナリストと単なる夢見る中年男性である。その罪は、せいぜい、それぞれ「蛮勇」と「愚劣」とくらいであって、必ず死を結果するべき罪とはいえない(いや場所が場所だから自動的な死を結果することもあるんだけど)。
にもかかわらず、その、我らが同胞たる人物の生命二名分をめぐる発言を「安い買い物」と言うのは、同胞に対する敬意を欠いたものと言われ得るだろう。
いやもちろん、直接には”2億ドルあげるっ”という文章の短さ、すなわち発声に関わる労力の少なさに対して「安い買い物」という文脈なのだが、しかしこの2億ドルは、あるいはYazidisを救援するためにもなろう。
重いのだ、これは。
するとコレに対して「安い」というのは、IS関連で巻き起こっている戦乱で塗炭の苦しみを舐めている人々の存在を軽んじることにつながる。
まあたまには小説を書いてみよう。悲惨な物語なんか、えらくありそうである。たとえば:
MAINICHI Islamic State group releases 200 captive Yazidis in Iraq January 18, 2015
Yazidisのじさまばさまが、まあ足手まといだというのでISから解放されたというわけなのだが。
(若い)女性は連れ去られたままだったりするのだな。
つまりじさまばさまは、我が娘・嫁・孫が性奴隷にされた・される予定というのを眼前でみたり、想定せざるをえなかったりするわけだ。
解放されても身よりもなくて、それなら自殺のひとつもかましたくなろうというところだが、そーゆー時にあったかい飯のひとつも食わせてもらえれば生き延びる気も起きるかもしれんし、あるいは心置きなく死ねるかもしれんし。
こういう人たちに対する、せめてもの人間的取り扱いの一助となるべきものだ、その例の2億ドルは。
重いものなのだ。軽々しく、安易な政権批判の小ネタにこれを使うのは、その人の見解の軽重に関わろう。
しかし日本人は海外で責任を果たせって言ってる口で、ジャーナリストが海外で取材するのは迷惑だとかゆうたらちょっとさすがに無茶苦茶やで。情報はみな外国頼りかよ。資源開発、プラント輸出とかどうすんねん。世界観が歪みすぎて気がくるっとるで。
— ねずみ王様 (@yeuxqui) 2015, 1月 20
(資源開発やプラント輸出に絡む企業は最初から日本の「ジャーナリスト」に頼っていないのではないかとの噂)
— Takehiro OHYA (@takehiroohya) 2015, 1月 20
そりゃそうでしょうねえ。
私ですら、ちょっと詳しいことを…と思ったときには、日本の新聞を開いたりしないものね。
「あと72時間! あと72時間しかないのだ!」
といいつつ、
「いやしかし、直接武器を出したり兵を出したりはしていないので情けというものも存在しないことは無いかもしれないかもしれないと言う余地はなきにしもあらずと」
とかって引き伸ばして相手方の離間策に利用したり交渉を通じてパイプつくりをしたりするんだろうけど、ISはそれ、あんまりしない傾向ですよねー。
それを仕掛けてくるほど、日本研究をしている…とまでは思えないのだが、さて、どうなるか。
…まあその、IS相手ではなんともならんというか、なんというか。