空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

某法案通過とか

2015-07-17 00:43:05 | Weblog
BBC Japan's lower house approves change to self-defence law 16 Jul 2015

 冒頭に端的に
The changes would allow Japanese troops to fight overseas for the first time since World War Two
 とある。

 70年か。よくぞそこまで引きこもりをやってたもんだなあと感心するだろうか。

The changes are unpopular and thousands demonstrated outside parliament on Wednesday
But polls show more than half of Japanese citizens oppose them

 相当不人気の法なのだということは示唆されている。
 しかし中国や北朝鮮、加えて控えめな言辞ながらも韓国が不承知・反対の見解を示す一方、日本の国会議員団は合法的手段に訴えていくのであること、確認されている(まあ数からして勝てそうもないのは注意されているが)。

 なので、近隣諸国が少々はしたない言葉を使いつつ非難するにも拘らず、日本の法治主義や順法精神は堅固であることが観察される、という意図かと思われる。

 デモについても言及してあり、十分満足な説明かと思う。

内閣官房 平和安全法制等の整備について

政府は平成27年5月14日、国家安全保障会議及び閣議において、平和安全法制関連2法案を決定しました

:基礎資料。


東洋経済 日本は「戦争をできる国」にはなれない 財政から見た自衛隊の「本当の姿」 土居 丈朗 :慶應義塾大学 経済学部教授 2015年03月09日

ただ、財政面からみて、少なくともわが国は「戦争のできる国」にはなれないことは明らかである。わが国の政府債務は、いまや対GDP比で約230%に達している。これほどの債務残高に達した国は、ナポレオン戦争直後のイギリスと、第2次世界大戦直後の日本とイギリスである

 年齢問題にも言及してあり、分かりよい。

 3ページ目に

長期間にわたり国際紛争の緊張にさらされ続ければ、わが国は財政面と人口構成の制約は厳しいためにとても長くは持たない。こうした制約を十二分に踏まえれば、外国に好戦的な姿勢で臨もうとする為政者は、愚かであることは言を俟たない

 とあって、おそらく安倍首相を嫌う人たちはこの点を捉えるだろう。確かに幾つかの隣国が不快感の存在を示唆しており、安倍首相の個人的な態度・資質を難じる可能性はある。

 ともあれ

巨額の政府債務と歯止めのかからない少子高齢化は、目下、わが国における戦争抑止の最大要因である。確かに、「戦争反対」と声高に叫ぶのもよいが、巨額の政府債務と歯止めのかからない少子高齢化がある限り、わが国は戦争や軍事衝突などまともにできない国と肝に銘じる必要がある

Yahoo! News <安保法案可決>若者たちが国会前で怒りの声「言うこと聞かせる番だ、俺たちが」 弁護士ドットコム 7月15日(水)19時44分配信

集団的自衛権の行使容認を盛り込んだ安保法案が7月15日、衆議院の平和安全特別委員会で、可決された。この日の夕方から、安保法案に反対する人たちが東京・永田町の国会周辺を埋め尽くした

 でまあ、例の学生集団の「メンバーは国会前に仮設された壇上でマイクを握り、「安倍政権は民主主義を理解していない。徹底してノーといいたい。めっちゃ声だしていきましょう」と呼び掛けると、「イエー」「フー」と声があがった」というあたりは、まあ若者らしい言葉で表現しようという感があって微笑ましいところなのだ。若い力の表れを積極的に支援していこうという記事なんだろうなあと、そこは教育者としては、方向性はさておき、深く思うところがある。

 が。

デモを訪れていた元経産官僚の古賀茂明氏は」以下略
精神科医の香山リカさんも取材に対し」以下略

 で。
 …これを読んだ感想は「あのう、本当に若者達を応援しようと思ってこの記事を書いたんですか?」である。ダメなことが周知になっちゃった、というか賞味期限切れの人のコメントで閉じると、この運動自体が賞味期限切れ扱いになっちゃいませんか? というか、逆に、これらの人々を”まだ賞味期限切れではない”と評価するような人々向けの、要は内輪向けの記事だということですか?

 …運動に広がりを持たせたいなら、もうちょっと配慮しようよ、と思えたところである。



 まあ、世界のどこか遠くで起こったことなら、そういうのでもさしあたり全く困らない。



 学生時代に聞いた伝説で、法学部の先生たちの学内政治闘争はハンパない、というのがある。なにしろ、お互い政治を研究しているわけで、学内政治に勝てるかどうかはその人の学説が優れているかどうかに直結するからだ―というわけだ。

 してみると(以下略



 これはretweet群に興味がある。
 象牙の塔に閉じこもろうとする学者に対する攻撃については、SAとかと同じように見えないように努力するといいのではないかと思う。



 象牙の塔に閉じこもろうとする学者に対する学者による攻撃については、レナルトやエルンスト・クリークのように(以下略

 もちろん、レナルトらも、それはそれで真剣な思いをもってその”仕事”に打ち込んだのだと思う。官僚主義を打破せねばならぬとか、”愚劣な連中”が”虚偽の学説を言い誑している”ことに対する抵抗だとか、そういう感じに。

 ただし、主観的な熱意や正しさが、そのまま客観的な正義や歴史的な大業績と見做されるかどうかはまた別の話だ。

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