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空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

ロヒンジャ問題記事メモ:ロヒンジャ居住地の30%ほどが破壊済み

2017-09-15 12:55:51 | ビルマ/ミャンマー
BBC Rohingya crisis: Satellite images of Myanmar village burning 2017.9.14

At least 30% of Rohingya villages in Rakhine state are now empty, the government says」,「At the government's own admission, 176 Rohingya villages, more than 30% of the total in northern Rakhine state, are now empty」。
 この裏面の現象が「Some 389,000 Rohingya have fled to Bangladesh since violence began last month」であり,現地の「実務担当者」としては,『よっし,じゃああと2か月でオールクリアか!』と発奮するかもしれない。

 組織的な放火が,しかもこの四年程は見なかった水準の規模で行なわれ―この速やかな”追い出し”は,ある種,民族浄化の見本ではある。

 政府報道官曰く「Myanmar would not be able to allow all those who fled to Bangladesh to return」うんまあ,そうなるな,政府の立場なら。

Sankei Biz ミャンマー「民主化より経済開発が重要」6割 2017.9.15 05:58

 但し「この調査は、今年3~4月にミャンマー全国の18歳以上の3000人を対象に聞き取り形式で実施した」。従って,この8月末以来の不穏情勢の影響をうける以前であることに注意。しかしともかく「経済開発が民主化改革よりも重要と考える人は40%で、どちらかといえば経済開発が重要と答えた20%を合わせると6割に達した」この結果は重要。

 要は,アラカン・ヤカイン地方の根本的問題は,「カネが分配されていない」ことにある。もとから貧困地帯ではあり,しかし天然資源はあって,そうした富の果報は中央政府が持って行っている…という不満。

 中央政府としては「ちょっと待ってろ」と言うのだろうが,ヤカインとしては「分け前増やすくらいはいいだろ」と言いたいだろう。余計めに分け前がもらえたら,そりゃあ”けしからんベンガル人ども”にも情けをかけてやる余裕くらいはつくってやるんだ…と思うことではあろう。

 ただ現実には,ヤンゴンは(少なくとも水害を受けていない限り)結構豊かで,ポカリスエットまで飲める。嗜好品としてではあれ,純日本産のお菓子まで楽しめるだろう(日本企業のシンガポール工場産品ではなく)。

 他方,水害をうけた,例えばマンダレーなどでは,被災者自身が道端でmakeshift campを建てている状態。こうなると,”被災したのは俺たちも同じなんですけどー…”という”見捨てられ感”がビルマ人側にも起こるわけだ。

良い方向に向かっている要因としては、40%がインフラ改善、18%が経済成長を挙げた。悪い方向に向かっている要因としては、53%が経済成長の鈍化、20%が国内の和平プロセスの停滞と治安改善の遅れを挙げている

 ―ということで,富の分配の問題を重要要因として意識はしておきたい。

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