空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

精神病院の患者対応の一環としての身体の拘束についての新聞報道

2023-07-08 12:47:30 | ノート
 どうも良記事として評判がついたようだ。

東京新聞 身体拘束「なぜ心が痛むの?」「地域で見守る?あんた、できんの?」精神科病院協会・山崎学会長に直撃したら… 2023年7月7日 16時00分

 デスクメモに「山崎氏の物言いは乱暴だし、多くの部分で肯定できないが、どきりとする部分もある。「きれいごと言って、結局全部他人事なんだよ」「60年、社会は何も変わんねえんだよ」。精神障害者から目を背け、病院へ追いやることを是としてきた社会。ドンからの重い問いかけだろう」。

 …これは事実上の全面降伏宣言といったところか。乱暴者の独裁者・大ボスを非難する―という筋で書きたかっただろう所、どうもその大ボス氏が―政治的立場や問題へのアプローチの仕方には反発したかっただろうが―真剣深刻に課題に一生涯をかけて取り組み続けている激熱野郎だったという…。

 …えらいさんですから、それなりに危ない橋やら辛い妥協やらやってはいるでしょうが。古い人だから現代的水準からみればだいぶ乱暴でしょうが。とるべき論点は取った上、法に基づく標準的な医療とはこうである、そして改善すべき点には適切にコストをかけるべきだと主張するあたり、ああ、これは格が違うと言わざるをえまい。

「精神科も診療報酬を一般診療報酬並みにと訴えているが、全然だめ。精神科診療報酬は入院が9割。診療報酬の構造が違うわけ」

 先月、山崎氏は日精協の会長に再任した。8期目だ。なぜ会長職に留まるか。

 「精神科医療を何とかしたいと思っている。財源がつかないとしょうがないでしょ」


 健康保険の中での位置づけを変え、行動を誘導するのはマクロ視点ではどうしても必要。ここは最近の運動家界隈では弱い論点かな。

「60年、社会は何も変わんねえんだよ」という言葉には、病院からの退院支援を担う社会福祉法人「ひらいルミナル」理事長の河野文美さん(49)も「退院支援に力を入れる精神科病院も出てきたが、地域の受け皿として事業所が増えない社会の弱さもある。病院だけの問題でなく、トータルな視点で地域移行を進めないと…」と話した

 とあって、決定的である。意欲あるボランティアの存在が不可欠だろうこと、決定的なボトルネックだというわけだろう。大ボスさんはここを衝く。

精神科病院に入院し続けることは幸せなのか。

 「そう思うよ、ぼくは。地域で、アパートで一人暮らししながら、明日のことも分からず生活するのと、病院の4人部屋で皆でご飯食べるのと、どっちがいいかって言ったら、ぼくは病院を選択するよ」
 30年入院してても?

 「出してどうすんの? 地域でマンツーマンで診れるならいいが財源も人もいない。支えているのはいつもボランティアじゃねえか」


 厳しい。が、全文引用するに値する。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ブラジル:熱帯雨林損失率は劇... | トップ | 地熱発電開発に際してのリス... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ノート」カテゴリの最新記事