空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

ヴェネズエラ:援助を求める者たちを治安側が鎮圧しようと

2019-02-24 20:26:54 | Newsメモ
BBC Venezuela crisis: Guaido sets up possible confrontation over US aid 17 Feb 2019

President Nicolas Maduro says the aid is part of a US plot to disguise an invasion into Venezuela.

 政治的にお立場のある人々はまた個別の意見があろうが、私としては名もない人民の立場から、「とにかく食わせろ」と言いたいと思う。

Juan Guaido wants a "humanitarian avalanche" and "caravans" to go to the borders to get the aid next Saturday.

 一般人を人間の盾代わりにしようとしている、といわれかねないコメントもどーか、ともメモしておく。

BBC Venezuela aid: Genuine help or Trojan horse? 22 Feb 2019 By Katy Watson

There is a feeling of optimism among many Venezuelans at the moment - an energy that has not existed in the country for a long time. And the hope that Saturday may be the start of a new path.

 そうして、目の前にメシがあるのにそのメシを食わせてくれない政権があるというなら―その政権は倒れることだろう。よほどの強権的手法で反抗勢力を押しつぶせるのでなければ:

BBC Venezuela crisis: Deadly border clashes as Maduro blocks aid 24 Feb 2019

 その「よほど」への試みがなされた模様。

Deadly clashes broke out in Venezuelan border towns on Saturday, as President Nicolás Maduro blocked humanitarian aid from crossing from Colombia and Brazil.

Troops fired tear gas and rubber bullets at protesters who attempted to collect and transport the supplies.

 まあその、催涙ガスとゴム弾といった、伝統的でそこそこ穏当な鎮圧方法をとりました―というわけだが、どうも実弾も出たらしく。

US Secretary of State Mike Pompeo condemned the attacks on civilians, which he blamed on "Maduro's thugs".

 相変わらず…口が悪い。

At least 60 soldiers had defected by late Saturday, according to Colombia's migration service. But most of the military still appeared to be loyal to President Maduro.

 とまあ、一部部隊の離反が見られるも、軍全体としてはマドゥーロのもとにあるものらしい。…秒読みのような気もするが。

Mr Guaidó insists that citizens badly need help, while Mr Maduro views aid as a ploy by the US to invade the country.

 そりゃまあ、完全純粋タダな人道援助なんてまずありえず、そりゃ米国の政治的な意図はあるでしょうよ。食料を武器とするのは、そりゃ大分昔からの作戦だ。だが、そういった「外国勢力の政治的意図」を峻拒するほどの国民的合意を調達できていないわけでもあるでしょう…。…それほどに国民は困窮しているわけでしょう…。

 追加



 すごい。東京新聞すごい。
 米国の政治的意図は,まああるだろうし,それへの批判はいいとして。
 しかし識者氏のいう「政権を支える軍関係者の重用や政治家の汚職で,国民の不満も募っている」場合,批判対象はマドゥーロ政権なのと違うか。「マドゥロ氏が退陣を前提に,大統領選の実施を国際社会に約束するしかないのではないか」と識者氏が言うのだが,そういうEUからの提案を蹴ったからこそ今の状態に至っているわけで,しかも国民に銃を向けたわけであり,もう後戻りはほとんど不可能。その選択を選んだのはマドゥーロだ。

 国政選挙での野党勝利を受け入れず,国会以外の制憲議会をつくりあげてなんとかしてしまおうとしたのはマドゥーロ側。与党党員に食料を優先配布してきたのもマドゥーロ側。

 …面白いことに「伊高氏は今も国民の過半数はマドゥロ氏を支持しているとみる」とある。これには『いやあ,じっさい,そうかもしれませんね。たぶんマドゥーロ不支持層は国外流出してしまったんでしょうし』とかいう民族浄化ならぬ政党浄化状態じゃないのか,と突っ込む余地さえある―食えないからこそ人々は国外に流出した,従って今も国内にいるのは食えている人々だ,ところで食料は与党党員に分配されている,従って食えているのは与党支持者だ―とか。

 そんなわけで,「反米というキーワードが入ると途端に判断が反米基準で歪む」一例とみておくことにする。

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