(有料記事ですが、今朝の「毎日新聞」朝刊に掲載)この記事では雑誌の部数が下落していることを踏まえつつ。「同誌編集部に詳しい新潮社の関係者」のこんなコメントが載っています。→続)新潮45:“右寄り”に活路 「部数減で炎上商法」指摘もhttps://t.co/LlCVHYTD2Y
— ナカネくん (@u_saku_n) 2018年9月21日
「右寄りの特集の時はよく売れた。他社の右派系の雑誌が刷り部数を増やしたという話も伝わり、『この方法しかない』となったようだ」
— ナカネくん (@u_saku_n) 2018年9月21日
なんというか、「そりゃそうだろう」。
例えば今現在50以上、60以上の世代ではいわゆる日本的な左派の支持がそこそこ厚い。アンケート調査を見るに、他の世代に比べて明らかに厚い。しかし決して半数は行かない、といったあたり。精々30%かな。これくらいいれば、「俺たちは社会の多数派なんだ! だってほら、オレの友達もみんなこんな意見だもん!」と思える可能性があるが、しかし30%はない程度。
そりゃそうだ。
なんかふつーにそんなに意識せずに生きていられる、生活保守とでも言おうか、そんな感じがふつう多数派なのである。そしてそれでそれなりに合理的に生きていける。不合理はちょっとずつ訂正していくが―所謂左派がいうような、全世界に通じる圧倒的大正義なんてもの、そんなに興味がない。
てえわけで、本でもなんでも多数売ろうとおもったら、そうした多数派にアピールするのが、そりゃあ楽だろう。
なんでだか、この超当たり前の数の問題を無視して、「オレは正しいことをいっているので、オレの側が多数にならないのは愚劣な民衆が悪い」なんて思想を展開するから呆れられる。
新潮45を置いている図書館のホームページでバックナンバーを検索してたんですけど、今年の2月に「何か」が起きてるんですよね。 pic.twitter.com/tL02I5jgBQ
— にゃ (@nyakagawa_r) 2018年9月19日
雑誌だって商売なので、まあできるだけ良心的な商売をしようとは思いながらも、そりゃあ…ということもあるにはある。なにしろ「両論併記」という錦の御旗もあるし。
「そんな穢れた商売をするな!」という意見もまああるにはある。積極的にやりたいと思うひとも、うんまあ、そんなにはいないかもしれない。だが金貨は金貨である。
そして日本的なリベラルの方々の、恐らくマスの部分は、実際にはさほど「金貨」を吐き出さない。
思い起こしたのはこれである:
エラー691 無防備都市を実践してみよう!第9回 2006年6月19日 (月)
「6月5日 17:32 仙台市役所市長室
結局、護憲は要求を呑んだ。占領軍命令であって、自発的に強力したのではないから無防備都市宣言には違反しない。そう考えたのだ。
一応、仙台市のHPで米軍の横暴を訴えたが、くるのは「頑張って」「応援します」「連帯します」といった意味の無い応援メールばかりである。
困ったもんだ。」
あーうん、「連帯のメッセージ」を送ることは、それはそれで意味があることだが、残念ながらその意味というのは、そのひとことを発するだけで世界が花と希望とに満ち溢れ全ての人の心に天使の如き心が実現しひとたびその手を揺り動かせば小麦がさらさらとわいて出て杖を地面につけばそこに水が沸き出でるというようなものではないのだな。
にも拘らず、「シソー」のある人々の一部はそのように信じているらしく、いやまあそういう信教の自由を侵そうとまではしないかわりに私がそれと関わらず生きていたいという気持ちも尊重していただきたいという気持ちである。
ともあれ、新潮社の中の人たち的には、まずは給料が出るように、部数が伸びるようにという課題を背負っているわけでして、できればその辺に野生の呉座勇一でもおちてませんかできればうちで書いてくださいませんか、ということなんではないだろうか。
カネはもうけたい。スカを売っても当座のカネにはなる。しかしできれば質のいい商品を売りまくってカネ儲けしたい。なので我々としては、われこそは次なる野生の呉座勇一であるぞ、我々にかかせろ、売れるぞ、とアピールするのが正しいようにも思う。
さあ仕事しよう。
ちょっと追加
新潮45の不買を呼びかけている人たちは「戦争」をやってるわけで、必ず大将の首を討ち取るか、詰め腹を切らせて、「責任」を形にしないと勝ったことにはならない。ただ、その勝利が本当に日本の健全化と結びつくかは疑問。先の私のツイートでも述べたように、問題の根源は「読者」にありますから。
— 黒色中国 (@bci_) 2018年9月23日
なので、我々にできることは、普段の授業でしっかと人権教育をしていったり、ということ。
超あたりまえの基礎事項をしっかと教えること。
全人民が相互に尊厳あるものとして認め合う、同輩たる者たちを決して単なる手段としてのみ取り扱わないように心がける(現実的には決してしないとはいえない・できないが、理想・建前はきちんともっておく)…なんて具合に。
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