TENZANBOKKA78

アウトドアライフを中心に近況や、時には「天山歩荷」の頃の懐かしい思い出を、写真とともに気ままに綴っています。

天山追想3 忘れ得ぬ思い出

2014年12月07日 | SUWV
忘れ得ぬ天山の思い出、三話。

第一話 「初めての天山歩荷」

 天山歩荷に初めて挑んだのは、2年生の夏だった。話には聞いていたけどあれほど苛酷なものとは思わなかった。バス停から1時間ほど歩いた神社ですでにバテていた。炎天下の歩行で、水を飲んでも飲んでものどの渇きがおさまらなかった。みかん山の横から小径に入ったくらいから、一人大幅に遅れてしまった。2年生でサブリーだというのに全く情けない話である。水ポリの水はすでに飲み干していて、林の中を流れていた小川にうつ伏せになって、水をがぶ飲みしたことを覚えている。


第二話 「早朝の天山で見たものは…」

 学生時代は毎年、月見をしていた。あるときは校舎の屋上で、あるときはボックスの横で。
そのときのではないが、ボックス横での酒飲みの様子を写した写真がある。


よく見ると、コッフェルやブス、そして一升瓶を持ってほほえむ○女史の姿が。照明はボックス間に細引きを渡し、蛍光灯を吊している。

 あの頃は、中秋の名月などは、みんなで酒を飲むための大義名分に過ぎなかったのだ。何かの話で盛り上がり、翌朝天山に登ることになった。まだ夜が明ける前に、8合目までは車で行き、そこから登ったのだが、山頂にはすでに先客がいた。あのときの驚きは、映画「剣岳・点の記」で、剣岳初登頂の快挙を成し遂げたと思ったら、先人が登った痕跡を発見し愕然とした主人公のあの驚きと似ている。
「どうしてこんな早くに人がいるのか?」
尋ねてみたら、中秋の名月を一晩中眺めながら、山頂で夜を明かしたという。その人の横には傘と一升瓶。傘は夜露をしのぐためのものだったという。花鳥風月と言うが、世の中には風流を愛する人がいるものだといたく感心したのを覚えている。


第三話 「真冬の天山で」

 雪が降ると今でもワクワクし、雪山に登りたくなる。(喜び回る犬と同じか…)
社会人2年目の冬、友人二人を連れ、車で雪の天山に向かった。川内の集落を越えたところでタイヤにチェーンを巻き、8合目を目指した。すべて予定通りと思われたとき、車が動かなくなってしまった。道は舗装などしてなく、石がゴロゴロしていたのだが、雪に隠れていた大きな石に車が乗り上げてしまったのだ。エンジンを吹かせども空回り、友人等に押してもらうけれどもびくともせず万事休すと思ったときに、下から悠然とパジェロが登って来た。そのパジェロに引っ張ってもらってなんとかピンチを脱出することができたが、もしパジェロが来なかったらと思うとぞっとする。若い頃の苦い思い出だ。



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