稲盛和夫の実学―経営と会計 を読んだ。
名経営者と呼ばれる人の書籍は、いくつか読んできたが、稲盛氏の本はなぜか
読んでいなかった。これもまたまたブックオフで購入し一読した。
なかなか良い本ではないかと思う。
経営と会計。実務的に近いものであろうが、経営が会計を細かく抑えて
みるかというと、両立していることも少ないのではないかと思う。
稲盛氏の会計というものへの考え方、捉え方というのを、日々必要な勘所と
企業人として見ておくべき指標を観点絞って書かれている。
企業の財務状況を健全に公正明大にし、対外的、社内的にその実態を明確
にするということは、普通のことであるが、それをそうしない、できない
のが、旧スタイルの日本経営的な側面である。今でこそ、企業そのものが
IR情報など明確に公表し、株式全般を健全化しコンプライアンスを重視
する世の流れではあるが、まだまだ稲盛氏のいう公正明大さまでには
いたっていないような感はある。
この本、全体の流れとしては、いたって普通のことを確実にやれば、企業の
健全性というものは、保てるように思えるが、(一対一の対応や、設備投資
の考え方)一番の必要性を感じたのが、その事業に関与する一人一人が
事業の収支、生産性などの改善、原価の見直しなどを小さな単位で管理し
明確な運営や仕事となるよう心がける。本の中では、魂を注入するなど
書かれていたが、こういう側面が必要だなとあらためて痛感した。
最近、ビジネス書などを読みふけって、技法的なものをイメージし、実施する
ことを良く考えていたが、実施するために必要な人的なエネルギーをしっかり
と注ぐということがかけていたなと釘を刺されたような気分だった。
会計という指標をもとに経営者がしっかりとした哲学をもち、それを社員へ
影響の輪を広める。そこが一番肝心であるというところが個人的にはインパ
クトがあった。