平成政治20年史 (幻冬舎新書) | |
平野 貞夫 | |
幻冬舎 |
平成政治20年史 を読んだ。
元参議院議員 平野氏による小沢氏を中心にした政治史を駆け足で綴っている。
竹下、海部首相の時くらいから内閣、政党ないでの調整ごとに奔走した
実録が書かれている。
党内人事から政局がらみの調整ごとが日々次々と押し寄せてくるという
感じで多忙さが際立つ。
その時代の政治的難問に対し決着をつけることが、非常に短い期間で
対処療法的に事態を進めたことが良くわかる。
しかし、この本は平野氏が調整してきた過去を主観的に、自慢話的に
書かれており、読み進めるうちに政局の事実は理解できるが、あまりにも
対処療法的な出来事ばかりで嫌悪感が走る。
平成20年のうち経済や国民の生活は、小泉政権によって生活の基盤が揺らぎ、
アメリカ政府の圧力、政治的な規制緩和で企業の基盤を揺さぶられ
ような状況になっているにも関わらず、永田町は、永田町の論理で劇場的
なうつろいに、読み進むといらっとする。
この国の政治というものは、永田町の住民たちだけのものではないだが、
書かれている内容から、国民、企業、のことは二の次で、利権に執着する
猛者の集まりで、それに固執する人たちだけのもののように思える。