フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略 を読みました。
2年ほど前に出版されたときからいつか読みたいと思っていた本ですが
なかなか手にすることがなくて、注目されていた時期からかなりの時間
がたって読んだ。
デジタルをベースに世の中が進み、無料でいろいろなものを提供できる
基盤が出来上がっている世の中。
最近になって、フリー、無料でサービス、製品を提供することが新しい
経済モデルになってきていることが実感できる。
そのからくりを体系化して整理できると、これからのビジネスのヒント
になるかなと思っていたところに、本書を読みフリー、無料経済の
概念的なもの、さまざまなビジネスモデルを読み解くことができて
参考になった。
フリーの心理学として、ペニーギャップという記述は、無料と1ペニーと
いう微々たる費用でも、その乖離がデジタル世界では消費者を逃してしまう。
心理学的には、消費をするかどうかの検討、考察の段階から取引コスト
としてコスト化して尺度を図ることが、個人的にはあたらしい気づきで
あった。
サイト閲覧してて、何かしらの登録とか購入する行為そのもが、コスト
意識をもたせる。その嫌悪感のあるなしが消費の有無を決める。
こういうところも感覚としては、わかってはいたけれど、取引コスト
として認識すると、ビジネスに反映させるときのヒントになるなと感心する。
海賊版をシェア、ユーザの拡大と考え、その獲得とともにコピー製品以外の
周辺商品、サービスなどで収益を生むというビジネスモデルも、良く考えて
整理すると普通のことであるが、そう捉えるられる感覚が個人的には
新しい機転である。
このようなデジタル、Webの世界での無料のビジネスモデルと収益モデル
のサンプルと考察が整理されて書かれていて、その豊富な内容が興味を
そそり、ネット上の現実を整理するのに有効。
ひととおり読んだあと、巻末の無料のルール、フリーミアムの戦術、
フリーを利用した50のビジネスモデルは、読後の整理には丁度良い。