巨龍の苦闘 中国、GDP世界一位の幻想 (角川新書) | |
津上 俊哉 | |
KADOKAWA/角川書店 |
久しぶりに本を読みました。
読書は、つくづく必要だと痛感。ネットから、得られる情報が、質とも量とも良くなっているのは、
周知の事実。
しかし、本にはその人の思考、考察、心情など、長い文章で表現されており
得られるものも、自分にとっては大きく違う。
お隣の国、中国。自分が子供の頃は、ニュースで聞く言葉は、毛沢東、周恩来、鄧小平
という名前、文化大革命の赤い映像、中途半端な民主化のもと経済が発展。
自らを大国と知らしめ、その背景のもと、周辺国に強硬の姿勢で対峙し始めている。
資本主義、民主主義側にいる自分からすると、過去の日本のような帝国主義の様相を感じる。
その心意は、何なのかを知りたくて、この本を手にした。
習近平が牽引する現在の中国。経済発展をもとに、国内を抑える政策を堅持し共産党に属する
保守派の動向を注視している。
この本の前半は、経済視点で中国が持つ、問題、課題のレポート。
GDPが伸びや悩み、日本と同じ少子高齢化が進む。
ニュースで言われるのが、中国国内の事情。これが今一つ理解できなかったが
多くの人口を抱える共産党、一党支配の国。党の体制を維持するためにナショナリズムの
高揚を抑え、安定した社会を運営するために、経済、国際的な事案に意識を向ける必要がある。
AIIB、大国意識の堅持は、そのためにある。
そういう中国の事情を経済統計資料と、考察をわかりやすく解説している本でした。