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孤高のメス 第二巻 ジワジワと染みる当麻医師の正義の姿

2017年09月15日 20時55分54秒 | 読書評

 

孤高のメス 外科医当麻鉄彦 第2巻 (幻冬舎文庫)
大鐘稔彦
幻冬舎

第二巻を読みました。満足の行く読後感です。

主人公、当麻医師の医療に携わるぶれない姿が

重ね重ね描かれ、読み進めるに従って、正しい

事を行う人間の魅力に浸食されます。

 

この第2巻は、正しいことを推し進める人間と、

手を抜き、自らの面子と利権だけを考える人間

との行く末が描かれている。

人間像としては、

実力があり、正しい行為に対してぶれることない当麻医者

実力があり、正しい行為を行いながらも、奥底にもつ野心

にこだわる実川医者。

実力がなく、偽りの行いを正当化しようとする野本医師。

この三人の生き様が対象的で、面白い。

 

この人間像は、一人の人間の中にあるもので

正しい行為を行いたいと思う気持ち、名誉や利権に

拘らず、本質的なものが何かを捉え、実直に推し進めて

行きたいという気持ち、利己主義で相手が困ろうが

失敗を自責と捉えず、他責として、逃げる気持ち。

そういうものを、医療という命を救うという

最も難しい行為の中で描いており、強い印象を

憶える。この二巻目も人としての正しい姿とは

と考えさられる良い作品でした。


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