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孤高のメス 第5巻 救える命を救う直向きな医師の姿勢が響く。

2017年09月30日 04時30分46秒 | 読書評

 

孤高のメス―外科医当麻鉄彦〈第5巻〉 (幻冬舎文庫)
大鐘 稔彦
幻冬舎

孤高のメス 第5巻。

いよいよクライマックスに入る巻。

当麻医師の人命を救うひた向きな気持ちがじわじわと沸き上がる。

映画化されたストーリーがこの巻の後半部分からである。

 

生体間移植が残念な結果に終わった実川医師。教授選に当選し

マスコミから袋叩きにあった経験から、社会的な倫理観が

浸透せず、法的整備が整わない時代に脳死間移植は自嘲した方が

良いと進言する。

この場面が当麻医師の信念を象徴しており、共感の渦が拡がる。

 

ただただ、救える命は諦めず直向きに救うための努力をする。

いたってシンプルな思いであるが、阻害する人たちの画策に臆することなく

治療を進める当麻医師。

この直向きな姿勢は、このシリーズぶれることなく表現されている。

 

不慮の事故で最愛の一人息子をなくした母親。諦め切れない

子供への思いを、臓器を提供し、救えた命が亡き子供の

意思、魂を紡いでいくのではと考える。

そのような気持ちでいながらも、手術室に向かう最後の姿は

あまりにも悲しい別れである。

ドナー摘出手術で肝臓を取り出す途中で心臓が止まる。

この時がドナーの臨終の瞬間。この描写は、人が人の命のオンオフを

行っているようにも見え考えさせられる。

 

そのような中、着々と移植手術を進める当麻医師。

このシリーズ最後の巻へと進む。


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