米子市皆生温泉に鎮座される「皆生(かいけ)温泉神社」。御祭神は『大国主命』。
「長寿と健康祈願 皆生温泉神社 。天正年間(1573~1592)に命名された「海池(かいけ)村」の名が、江戸時代慶応三年(1867)、「皆生村」と改名統一された事が由来とされる。皆生の由来には、その昔、出雲の稲佐の浜から泡となって流れた魂たちが海岸に流れ着き、新しい身体と心が蘇生(黄泉の国から帰る)されて皆、生まれ変わった。このことから、当地を「皆生」と呼ぶようになったという言い伝えが残る。長寿にあやかれる有り難い皆生温泉の氏神様。「皆、生きる」の名前の通り、手を合わせればきっと長寿のご利益があることでしょう。」現地案内より
妻一杯に彫刻された「龍」
拝殿前左右より神域を守護されるのは、昭和8年生まれの出雲丹後系狛犬さん一対。吽形さんの足には願掛け紐が。子狛を足元に抱いた阿形さんにはお顔の剥離があり、胸前にもおおきくヒビが入っています。
社殿の左脇、おそらく境内社「伊勢神社」と思われます。御祭神は『天照大御神・月読命』。
御社殿前左右より神域を守護されていた出雲構え狛犬さん一対。残念ながら、阿形さんはすでに土塊に戻りつつあり、紹介は吽形さんのみ。
境内の右手に鎮座されるのは、温泉街の方々から寄進された朱の鳥居が立ち並ぶ「稲荷神社」。御祭神は『倉稲魂命』。漁師の言葉で「えなあさん(稲荷さん)」と呼び親しまれています。
稲荷社本殿の褄虹梁部分を噛んでいるのは一応獅子?耳が獅子らしくないような気もしますが、立てるとこうなるかな?
笑いが抑えきれない向背の龍
海水を汲んで甕に入れる様子から「塩造り」かと推測しましたが・・
海辺に近いお社らしい立派な「伊勢海老」。数少ない好物・・実に美味しそう(笑)
神社の彫刻としては定番ともいえる「海亀」。
御本殿左右より神域を守護される「御崎稲荷(みさきとうが)」一対。一方は巻物を、一方は鍵を咥えています。「御崎(みさき)」とは、高位の神霊の出現前に現れる霊的存在の総称であり、「稲荷」はその主神を意味します。
何故か社殿の前に置かれた、異国風味たっぷりの焼き物の仏像。社殿の下のほうには鉄製の三猿さんも(笑)。きっとこちらの『えなあさん』は海のように懐が広いのでしょう。
「皆生温泉神社」は、皆生温泉の発展に尽力した『有本松太郎』が、「皆生温泉に日本人らしい心の拠り所を」の願いをこめて創建しました。メインストリートの突き当たりには、氏の胸像が建立されています。
「皆生温泉神社」が鎮座される「皆生温泉街」は、山陰随一の温泉街として広く知られています。案内看板には『野口雨情』が来湯した際に作ったと言う「皆生小唄」の一節・・【 海に湯が湧く 米子の皆生 波の音さえ 寝てて聞く 】・・・確か三朝温泉でも似たようなことを書いた記憶が・・・
参拝日:2011年5月20日