車泊で「ご当地マンホール」

北は山形から南は大分まで、10年間の車泊旅はマンホールに名所・旧跡・寺社・狛犬・・思い出の旅、ご一緒しませんか。

板井原(いたいばら)集落 in 鳥取県智頭町

2017年07月30日 08時00分00秒 | 神社仏閣・名所・観光・鳥取県

鳥取県智頭町に位置する山村、県選定板井原伝統的建造物群保存地区「板井原(いたいばら)集落」

「智頭町中心地から北東約3kmに位置する板井原集落は、山に囲まれた小さな谷間に広がる集落です。始まりは平安時代に遡る事から平家落人の隠れ里とも言われています。昭和42年に板井原トンネルが開通するまでこの地に車が入ることはなく、徒歩で行き来する「六尺道」だけが唯一の道でした。」智頭町観光協会HPより

専用の駐車場に車を置き、そこから徒歩で川に沿って続く林道を進みます。

杉木立を抜けると、右手に「板井原集落」の建物が見えてきました。杉の木独特のフォルムに囲まれて、春の日差しの下でまどろむ田舎の風景・・まさにそんな形容がぴったり。

日本の山村集落の「原風景」を残し、昭和30年代にタイムスリップしたかのような懐かしい景色。それは板井原川の流れを利用した米つきの水車小屋であったり、茅葺屋根の古民家であったり・・

川向こうの小高い丘の上から集落を見守る「向山神社」。御祭神は『天穂日命』と思われます。創建や由緒などは不明ですが、長くこの地に鎮座し、板井原の人々の営みを見守ってきました。

昭和前期に建設された木造2階建の建物は「国登録有形文化財:旧智頭小学校板井原分校」。昭和28年(1954)に現在地に曳家移転されました。建築面積36㎡。木造2階建て、切妻造。金属板葺で外壁は下見板張。軒周りのみが白漆喰で仕上げられており、現在は「板井原公民館」として使用されています。

板井原川沿いに建つ茅葺屋根の家屋は、明治32年(1899)に建築された「智頭町指定文化財:藤原家住宅」。智頭町の観光案内マップに必ず登場するこの佇まいは、「平家の隠れ里伝説」を彷彿させ、しばしのタイムスリップを経験させてくれます。

主屋は明治32年(1899)に建てられたもので建築面積118㎡。木造平屋建、入母屋、茅葺、平入、直屋造、下屋庇(板井原川側鉄板葺、庭園側桟瓦葺)、主屋から板井原川に直接下りるように石段が設けられています。

標高480mにある板井原集落は、山すそのあちこちに雪が残り、流れる水は冷たく切るようです。集落に残る六尺道を歩いていると、満開だった智頭宿の桜並木がまるで夢のようで・・

かつては20数戸の住民が住んでいましたが、今では通年生活している世帯はわずかといいます。人とは勝手なもので「日常ではない風景」を求めるクセに、決して自らがその主人公になろうとはしません。誰しも快適で便利な生活の方が良いのです。それでも・・・またいつかこの地に降り立った時、甘酸っぱいような「この風景」に出会いたいと願う自分がいます。

雪解けとともに一斉に芽吹く「蕗の薹(ふきのとう)」。「蕗の薹」は、蕗の花芽の事。春の山菜として知名度が高く、てんぷらや蕗味噌に。開いてしまった花・・少し苦みがあるけど茹でて刻んで蕗味噌にしたら美味しいんだよと・・ずっと昔、母が教えてくれました。

訪問日:2012年4月14日

 

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