松江市和多見町に鎮座される「式内社:賣布(めふ)神社」。主祭神は『速秋津比売神(はやあきつひめのかみ)』。相殿に『五十猛命(いそたけるのみこと)・大屋津姫命(おおやつひめのみこと)・抓津姫命(つまつひめのみこと)』を配祀。
由緒に【「出雲国風土記」に「賣布社(めふのやしろ)」、「延喜式」に「賣布神社(めふのかみやしろ)」として見える。元は意宇(おう)の入海(宍道湖)西岸に鎮座していたといわれ、潮流や地形変動に伴い東へ遷座を重ね、13世紀頃に現在地で祀られるようになった。白潟大明神・橋姫大明神と称した時期もある。】とあります。
鳥居のうち、玉垣内より神域を守護されるのは、神殿狛犬系の石造狛犬さん一対。 顔の両サイドから下がったものが耳なのか、それともお下げなのか(笑)判断に迷う。
境内は隅々まで綺麗に掃き清められており、関係者の方々の崇敬の篤さが感じられ、気持ちがピンと張り詰めてゆく感覚。 神社とはまさに神の社、その地に神が留まることを願って建立されたのだと、改めて思います。
参拝後に見上げた拝殿の「挙鼻(あげはな)」、そこに施された龍と麒麟の彫刻に思わず釘付け。 作者は、松江藩の菩提寺「月照寺」の意匠も手がけた『小林如泥(じょでい)』。
木鼻に施された阿吽の龍の彫刻。作者は松江藩において稀代の名工と言われた『荒川亀斎』。
木鼻の彫刻でもう一箇所、とても印象に残ったお気に入りの一組が「境内社:船霊神社」。御祭神は『住吉三神(表筒男命・中筒男命・底筒男命)』。
木鼻に阿吽の獅子が彫刻されるのは決して珍しくなく、中には名工の獅子なども残されており注目すべき彫刻なのです。で、私が気に入った獅子の表情ですが、まるで人の顔のように見えて・・・獣人というとそうじゃない。人と獅子との間・・・聖なる獣の様相にしばらく目が離せませんでした。
境内には凝った細工の石灯籠や、驚くほど大きな石灯籠が奉納されています。それらを全部紹介するにはまだまだ他にも沢山の境内社やその神域を守護される狛犬さんがいるので多分無理(笑)
と言う事で、恒例の続きは明日(^^;)
参拝日:2011年5月18日
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御神名一口メモ
『速秋津比売神(はやあきつひめのかみ)』、穢(けがれ)をはらう神。水戸(みなと)の神。
『五十猛命(いそたけるのみこと)・大屋津姫命(おおやつひめのみこと)・抓津姫命(つまつひめのみこと)』、建速須佐之男命と櫛名田比売命の御子。 木の神。樹木の種子をもって天くだり、国中に種子をまいて樹木を茂らせた兄妹神。