袖ヶ浦市坂戸市場に鎮座される「坂戸(さかと)神社」。御祭神は『天手力雄命(てぢからおのみこと)、天児屋根命(あまのこやねのみこと)、天太玉(あまのふとだまのみこと)』
鳥居額には、見事な阿吽の龍が掘り込まれ、「坂戸大神」の文字と朱印が刻まれています。
深い緑に包まれた境内一帯は「坂戸神社の森」として、千葉県天然記念物の指定。
社伝に【創建年月詳ならず、日本武尊東征の時本社に戦捷を祈り親ら奉幣したまひし。古来近郷舊十二村(坂戸市場・中野・牛込・中島・瓜倉・畔戸・江川・久津間・萬石・高柳・牛袋・袋野)の鎮守たり】
一の鳥居に記された「坂戸大神」は、おそらく『天児屋根命』を指すと思われます。天戸開きの神々に戦慄を願った日本武尊。その心を想像すると何だか切ないですね。
拝殿左右の貫に施された獅子は、角度の所為か、なびかせた鬣が艶めかしく見えるのとは対照的な、とても鋭い目つきで参拝者を見おろしています。
対して、拝殿前より神域を守護される狛犬さん一対は、愛嬌のある顔で出迎えてくれました。 台座には「安永4年(1775)乙未6月吉日」の建立年と、「石工:嘉衛」の名が刻まれています。
参道を歩いているときにとても気になっていた「手水鉢」。改めてみると相当の手仕事。 鉢には、「安政5年(1858)戊午、石工:金兵衛」の銘。彼が掘りあげた台座の龍は、今も健在で境内を見守っています。
参拝日:2019年3月5日