みやしたの気まぐれblog

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今も残る現役国鉄形機関車・客車 西日本編 2021年版

2021-07-18 22:56:06 | 鉄道その他
今も残る現役国鉄形シリーズ2021年版の5回目、今回でシリーズ最終回となります。

今回は、JR西日本、JR四国、JR九州範囲での機関車と客車です。JR貨物については、この範囲で見られる機関車となります。この範囲での私鉄・第三セクターでの国鉄形機関車、客車はそれほどありませんが、わずかに撮れているものだけ掲載します。
機関車では、JR西日本が色々残っていますが、JR四国とJR九州はDE10形のみ。客車はJR四国では皆無。JR九州も50系3両のみとなっています。
機関車については、東日本と同じく蒸気機関車もこちらで掲載します。

8620形
大正時代に製造された旅客用国産蒸気機関車で、現在唯一本線走行が可能なのは58654号機です。他に構内走行のみ可能な車両として、京都鉄道博物館の8630がいます。58654号機は、1988年に復活して豊肥本線の「SLあそBOY」として運行していましたが、台枠を損傷して作り直し、「SL人吉」として運行していました。もともとの復活の時にもボイラーや運転室も作り直しているので、結果として大正時代のままのものは少なく、大半が平成製になっています。しかしながら、令和3年7月豪雨で走行区間だった肥薩線が運行不能となり、2020年秋には「SL鬼滅の刃」として鹿児島本線を運行しました。


2020年秋に「SL鬼滅の刃」として運行されていた8620形58654号機。沿線には鉄道ファンのみならず、多くの「鬼滅の刃」ファンの人が見物に訪れていた


C57形
戦時中から戦後まで製造された本線向けの旅客急行用テンダー式機関車。特に1次車1〜138号機、2次車139〜169号機は貴婦人の愛称で呼ばれる均整のとれたスタイル。現在2両が現役で、JR西日本の1号機とJR東日本の180号機があります。西日本の1号機は国鉄のSL復活列車第1号として、山口線の「SLやまぐち号」で長年活躍していますが、近年は故障がちで、現在も故障修理中です。


「SLやまぐち号」を牽引するC57 1 。2020年10月に故障し、現在は修理中。1979年に復活運転を始めてすでに40年以上で、そろそろ限界かもしれない


D51形
SLの代名詞とも言われるデゴイチことD51形。戦時中に1100両以上も製造された貨物用テンダー式機関車ですので、確かにSL全盛期は一番よく見られた機関車だったんでしょうね。各地に車両が保存されていますが、意外にも現役はJR東日本の498号機と、JR西日本の200号機のみです。なお、ロシアのサハリン、台湾にも同型の動態保存機がいるそうです。


「SLやまぐち号」を牽引するD51 200。もともと梅小路で動態保存されてきた車両ですが、「SLやまぐち号」の予備機だったC56 160が車両の限界を迎えていたため、新たに本線走行可能な形へ修復されました。2021年現在は定期検査中です。


DD51形
非電化の幹線から蒸気機関車を消滅させるために登場した液体式ディーゼル機関車。両エンドの真ん中に運転室があり、均整の取れたスタイルですが、SL末期にはSLの敵扱いされていたのだとか。SL後の時代に東京・神奈川で育った私にとっては、地方に行かないと見られない憧れの機関車でしたけどね。老朽化によりJR貨物での貨物列車牽引から退き、現在はJR東日本とJR西日本に臨時列車牽引や配給輸送・工臨運用の車両が残るのみです。


JR西日本のDD51形。主に定期検査に伴う車両牽引や、工臨で使用されています。JR西日本では気動車の定期検査を米子にある後藤総合車両所で集中して行っており、検査車両の牽引をDD51形が担う姿をよく見ます


DE10形
DD51形は2エンジンでしたが、同じエンジンを1エンジンで搭載し、片側を短く切っているスタイルの液体式ディーゼル機関車です。一部の簡易線を除けばどこでも走れる走破性、客車牽引も貨物牽引も入換仕業できる汎用性から、国鉄分割民営化の際に唯一全車に引き継がれた形式でもあります。近年は老朽化や方針変更により、大幅に数を減らしています。またJR貨物が後継機にHD300形とDD200形を投入しているため、今後はさらに姿を消していくでしょうが、私鉄での同型車も多いので、当面は姿を見られるでしょう。



JR西日本のDE10形。上の写真は工臨を撮影したものですが、岡山駅構内を走行中のもので暗いためにぶれてますね。下の写真は京都鉄道博物館で側線にいる車両を撮影しています


JR四国のDE10形。と言っても、残っているのは1139号機で、写真の1095号機はすでに廃車されています



JR九州のDE10形。「ななつぼし」の牽引用に所属する車両の全てが黒塗り金飾りになっています。SLの補機にも使われていますが、編成全体が黒になるので、赤色よりはこちらの方が九州には良いのかも知れません


JR貨物のDE10形。写真はすでに廃止された城端線の貨物列車のものでした。HD300形、DD200形の投入もありますが、こういった幹線以外の路線での貨物列車廃止もあって、姿を消しつつあります


嵯峨野観光鉄道のDE10形。嵯峨野観光鉄道はJR西日本の子会社ですので、冬期の運休中はJR西日本の京都鉄道博物館の側線にいる姿を見られます


DE11形
DE10形をベースに重入換専用機関車として製造されたのがDE11形です。入れ替え専用で本線での客車牽引は想定されていないないので、主に貨物駅での貨車入れ替えや、車両基地での構内車両移動に用いられていましたが、老朽化廃車が進んで残り少ないです。JR東日本に1両、JR貨物に4両ですが、JR貨物車はDD200形に置き換えられると見られます。ジャンパ線がないので、妙にスッキリした印象を受ける車両です。水島臨海鉄道で稼働しているDE70 1はDE11形の同型機です。


水島臨海鉄道DE701。ジャンパ線がない、DE11形と同型機だが、ナンバープレートの違いから少しDE11形とイメージが異なる。譲渡機では無く、同型機ですので、国鉄車ではないです


DE15形
DE10形をベースにラッセルヘッドを取り付けて、除雪用ラッセル車として運行できるようにした液体式ディーゼル機関車です。雪のシーズン以外は、ラッセルヘッドを取り外してDE10形同様に旅客列車を牽引することができます。JR西日本では降雪地帯も抱えているため車両が残っていましたが、降雪量の減少やキヤ143形の登場により、残るは「奥出雲おろち号」用のDE15 2558のみとなりました。これも車両老朽化で廃車が予定されています。


「奥出雲おろち号」用のDE15 2558。2023年度での運行終了が発表されていて、これで木次線の廃線も近づいた見られます。


ED76形
1965年から製造された交流電気機関車で、ED72形、ED73形の置きかえ用に九州向けに投入されました。九州用、北海道用で合計139両が製造されましたが、北海道用の500番台はすでに全廃。九州用の0番台、1000番台も、九州内旅客列車での運用が無くなり、JR貨物が運用する車両がわずかに残るのみとなっています。今後、EF510形による置きかえが予定されています。


JR九州から購入して稼働しているJR貨物のED76形0番台81号機。現役の0番台は2両だけで、見られたらラッキー。


JR貨物のED76形1000番台。個人的には鹿児島本線の貨物列車で見ることが多いように思える。ただ、鹿児島まで行く列車はEF81形牽引が多いようだ


EF64形
勾配路線用の直流電気機関車で、0番台から時間が経って1000番台が作られたため、1000番台は実質別の車両のようなものです。0番台はすでにJR東日本の1両を除いて全廃されていますが、1000番台はJR東日本では臨時列車牽引や配給輸送、JR貨物では中央西線・篠ノ井線と伯備線の貨物輸送で活躍しています。


米子駅で撮影したEF64形1000番台ですが、結構前の写真です。現在は国鉄色が多いでしょうか?


EF65形
平坦線向け直流電気機関車で、旅客用のP形、貨物用のF形、旅貨兼用のPF形があります。現在残っているのはP形の500番台1両以外は、1000番台および2000番台のPF形のみとなります。2000番台は1000番台からの改造車で、JR貨物のみの形式です。JR貨物ではEF210形への置き換えが進んでおり、最近は西日本ではあまり見なくなってきています。JR東日本、JR西日本所属車は工臨と臨時列車に使用されていますが、JR西日本はトワイライトエクスプレス牽引機用に塗装変更された物もあります。


JR西日本のEF65形1000番台。臨時列車の回送牽引や工臨によく使われています。



旧松山貨物駅停車中のJR貨物EF65形2000番台。この場所は、2020年3月まで松山駅1番線から撮影できる松山貨物駅の定位置でしたが、松山駅高架化に伴う松山貨物駅の移転で、ここでEF65形を撮影することも出来なくなりました。


EF66形
国鉄最強の直流電気機関車です。国鉄時代に55両が製造され、貨物および東海道・山陽本線系統の寝台特急牽引に活躍しました。しかし、寝台特急の廃止に伴い、JR西日本のEF66形は運用を失い廃車またはJR貨物へ売却。0番台は27号機を残すのみとなりました。また、JR化後に設計を見直した100番台がJR貨物によって33両製造され、主に東海道・山陽の高速貨物で運用されています。関東ではほぼ100番台しか見ません。


たまたま撮影したEF66 27。フェンス越しで遠いですけど。乗っていた電車を降りるわけにも行かなかったので、わずかな停車時間で撮影しました


JR化後の登場ですが、EF66形100番台は東海道本線、山陽本線の貨物列車を牽引しています。写真は、新大阪で梅田貨物線から出てきたEF66 121。


EF67形
山陽本線瀬野〜八本松、通称セノハチにある連続した22.6‰において、上り貨物列車の後方補機として運用するために、EF60形とEF65形0番台から転用改造された車両です。EF67形0番台は3両(元はEF60形)、EF67形100番台は5両(元はEF65形)製造されましたが、EF210形300番台の製造に伴い、0番台は運用廃止されて保留車となり、100番台も3両が残るのみで、今後定期検査を行わず廃車が予定されています。


EF67形100番台。補機運用はほとんどEF210形300番台に置き換わっていて、現在は天神川駅から見える位置で寝ていることが多い


EF81形
EF65形を元に製造された交直流電気機関車で、汎用性の高さから寝台特急の牽引や貨物列車の牽引、配給輸送に使用されました。寝台特急は現在消滅しているため、JR東日本では配給輸送と工臨が、JR西日本では臨時列車牽引が主な運用になっています。JR貨物の車両は、日本海縦貫線で運用されていた、JR化後製造の500番台も含め、現在は九州での運用となっています。


JR西日本の「トワイライトエクスプレス」用EF81形。現在は臨時列車や配給列車牽引用に3両が残るのみ。写真は「トワイライトエクスプレス」での姿ですが。残っている3両は全てトワイライトエクスプレス色になっています。


現在残る1両だけの銀釜EF81形300番台。元々は関門トンネルのEF30形置き換え用にセミステンレスで製造されましたが、現在は九州内の貨物列車牽引です。写真は車内より鍋島駅停車中のEF81 303を撮影したもの。


EF81形400番台。関門トンネル用にEF81形0番台を改造したタイプの車両で、塩害対策が施されています。現在は関門トンネル運用からは外れて、九州内の運用となっています。


JR化後に製造されたEF81形500番台。元々は日本海縦貫線運用でしたが、現在は九州内運用です。500番台はJR化後に必要なくなった一部の機能を省略可しており、塗装は登場時からJR貨物色です。



JR化後に製造されたEF81形450番台。関門トンネルからの九州内運用向けに製造された車両で、最初の2両だけ前照灯および尾灯が腰部にあり、後の3両は通常のEF81形と同じ位置になっています。


EF81形600番台。0番台に運転状況記録装置取り付け改造を施したタイプです。かつては日本海縦貫線運用でしたが、現在は九州内の貨物列車運用となっています。


12系
1969年から1978年にかけて製造された急行用客車で、1970年の大阪万博向け輸送向けに製造されたのが最初です。冷房付きの客車ということで、現在でも臨時列車用に比較的多く残っています。原色は青色に白ラインですが、改造により様々な塗装や形式も生まれています。西日本では「SLやまぐち号」用改造車がありましたが、大井川鐵道へ譲渡されたため、残るは「SL北びわこ号」で使われてた原型車と、「サロンカーなにわ」、「奥出雲おろち号」だけです。原型車は「北びわこ号」の運用が終了したことも有り、今後廃車の可能性が高いと思われます。また、「奥出雲おろち号」も運行終了が発表されています。なお、車籍はありませんが、若桜鉄道に12系が3両動態保存されています。


「SL北びわこ号」で運用されていたJR西日本の12系。一番の運用対象列車が廃止となったので、今後廃車となるのでは。



12系「サロンカーなにわ」。臨時列車運転の花形的存在ですが、天皇陛下の御料車としても使われることがあります。


「奥出雲おろち号」の12系。写真は運転台がある方で、反対側にいるDE15 2558を遠隔操作できる。1両がトロッコ、1両が座席車となっており、実際の指定券は1両分で販売され、同じきっぷでどちらにも乗車できる。2023年度に廃止予定。


50系
1977年から製造された一般型用客車です。当時はまだ地方幹線、亜幹線には電車や気動車が十分入っておらず、旧型客車や10系客車で運行されていた列車を置き換えるために導入されました。しかし、すぐに電車/気動車が主流になったため、製造年が新しい割に短命に終わった車両です。現在は、改造車が一部に残るくらいで、原型朱色の現役車両は残っていません。


JR九州の「SL人吉」用50系。両端を展望スペースに改造しており、車内も50系の原型はほとんど保っていない、観光用にレトロ調の座席となっている。水戸岡デザイン車両の1つ。


トラ45000形
元々は1960年から1963年に製造された2時組無蓋貨車で、積載重量17tまでながら、容積の大きい嵩高貨物の積載時には15 tを上限とする仕様制限により、小さなコを付けたコトラ45000形として認識されています。なお、無蓋貨車とは、天井がない貨車ということです。JR四国で旅客改造された「しまんトロッコ」用車両が1両現役で、JR貨物でも貨車の現役がまだ居るようです。


「しまんトロッコ」用コトラ152462。国鉄時代に最初に登場したトロッコ車両であり、そういう意味では由緒正しいトロッコ車両です。


トラ70000形
元々は1967年から1969年まで製造された2軸無蓋貨車です。JR貨物ではすでに全廃されていますが、払い下げられてトロッコ車両に改造された車両が第三セクターで現役です。


南阿蘇鉄道のトラ700形。元々は土日の臨時列車「ゆうすげ号」の車両でしたが、熊本地震からの区間復旧後、土日の列車は現在すべてこの車両(と新造のTORA200形)での運行です。晴れている日はいいけど、雨の日は厳しいですね・・・


平成筑豊鉄道の門司港レトロラインで使用されるトラ700形。元々は、島原鉄道で運行されていたトロッコ車両でしたが、島原鉄道でのトロッコ運用終了に伴い、平成筑豊鉄道の門司港レトロラインで運行されています。


こんなところです。
西日本はSLが東日本よりだいぶ少なく、臨時列車用も少ないです。それでも、貨車改造のトロッコ車両は東日本には無くなった特徴的な車両となっています。
これにて2021年度の「今も残る国鉄形」はシリーズ終了となります。
何か思い出したら、この後も捕捉を入れるかも知れません。


2021年版
今も残る現役国鉄形電車・気動車 東日本編 2021年版
今も残る現役国鉄形機関車・客車 東日本編 2021年版
今も残る現役国鉄形電車 西日本編 2021年版
今も残る現役国鉄形気動車 西日本編 2021年版
今も残る現役国鉄形機関車・客車 西日本編 2021年版

2017年版
今も残る現役国鉄型電車 東日本編 2017年版
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現役のSLはどれだけいるのか? 2017年版

2012年版
今も残る現役国鉄形客車
今も残る現役国鉄特急形電車・気動車
今も残る現役国鉄一般形・通勤形・急行形気動車 西日本編
今も残る現役国鉄一般形・通勤形・急行形気動車 東日本編
今も残る現役国鉄近郊形・急行形電車
今も残る現役国鉄通勤形電車
現役のSLはどれだけいるのか?
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