降って来るもの

写真と散文とぽえむ

出立の日

2017-02-07 05:45:40 | 
     出立の日

誰にでもきっとその日は訪れる
大小さまざまな形で
喜怒哀楽のあらゆる形態を含んで

誰かの誕生日だったり
何某かの記念日だったり
あるいは
今日のように移ろいの区切りの日だったり

残念だったり
希望の見える瞬間だったり
別離の覚悟の日だったり
出逢いの起点になる日だったり

百人に見送られる晴れがましい場所だったり
ひっそりと一歩を記す神聖な儀式を伴ったり

きっと
誰にも等しく廻って来る
人生の節目の日がある

華やかだったり
切なかったり
 もしかして
少しの勇気が要りようだったり
色合いの儚さに
 眸を潤ませる人も居るに違いない

けれどみんな
その日を迎えては
その日までを過去に収めて
その日からを未来に託して
 静かに
「さよなら」を一つ置いてゆく日だ

人は同じ場所では居られない
滞っている選択肢はないのだ

禍福の事情や
おのおのの賑わいや淋しさの設定に従い
今日から明日へと
時間を追わねばならぬ

春立つ日の今日の
その日付が僕の
 その出立の日

2017 02/07 05:50 万甫
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