明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(503)大飯原発再稼動反対、現場はかく行動した!(上)

2012年07月04日 23時00分00秒 | 明日に向けて(501)~(600)
守田です。(20120704 23:00)

大飯原発3号機の再稼動が始まってしまいましたが、先週の土曜日から月曜日の
未明にかけて、素晴らしい現地反対行動が取り組まれました。東京の首相官邸前
20万人行動と心でつながった行動だったと思います。

その後、現場から戻ってきた多くの方たちが、その様子を伝えてくれました。こ
れまで講演会・学習会などで出会った実に多くの方たちが参加していたことが
わかって、胸が熱くなりました。

今回の現場の行動を見ていて思うことは、非常に高く美しいモラルをみんなが
共有していたということです。それは原子力発電という巨大な暴力装置に、思想
的にも立ち向かうものであると僕には思えました。だからそれは非暴力であり、
非攻撃的であり、説得を第一においた行動だったと思えます。
とくに誰もが非暴力に徹しようとしていることが素晴らしいと思えました。

今後の運動の発展のためにも、ここらで暴力の問題に関する考察を深めておきた
いと思いますが、今はともあれ、現場で実現したことを少しでも全国のみなさんと
シェアするために、幾つかの報告を紹介したいと思います。

まずはその中の一つ、僕の大親友で京都在住の蒔田直子さんが7月1日に書いた
報告からご紹介します。

*********

蒔田直子さんの現場報告(7月1日)

蒔田です。

今朝5時にハリーナの友子さんたちと京都を発ち、
7時頃大飯ゲート前に到着しました。

昨夜も雨の中で、真夜中に車を鎖でつなぎバリケードが築かれ
夜を徹して抗議行動が続けられていました。
私たちの車もバリケードの最前列で頑張ってくれました。
雨でずぶ濡れになりながら、徹夜組の若い人たちが声を挙げ続け、
持ち込んだドラムや打楽器を打ち鳴らして、
休むことなく、しかもお祭りのように楽しく!気持ちを奮い立たせてくれました。

8時前に反戦老人クラブをはじめ(こちらは平均年齢70歳位?)
デモ隊が拍手の中到着。
ゲート前は300人以上になり、雨が強まる中でドラムと抗議の声が膨れ上がり
ました。

機動隊がさっそく登場し、何度か緊迫感が漂いましたが、
一時間ごとにメンバー交代して徹底無表情で立っているだけ。
並んだ機動隊の盾をコツコツと叩きながら、
何時間も静かに隊員の顔を見つめ続ける若い女性たちには胸を打たれました。
私は、あなたたち顔を見て話をしようよ、
いい身体してるんだからこんな因果な仕事はやめなさい!
ひたすらしつこくオバサン話しかけ作戦を展開、いやだったと思う。

女性や子ども、老人が多い時間に手は出さない、疲れるのを待つのだと見て
取れました。
Uストリーム配信などで多くの人が見ているのは、随分心強いものですね。
来たくても来れない膨大な仲間が背後にいるのですから。
現場の弾圧の目撃者がいるのは、暴力の抑止になるのを実感しました。
雨で消耗する中、神輿をかついだオトコたちも登場し、みんなの気持ちを奮い
立たせました。
激しい雨の中でドラムを叩き続ける若い女性、意気軒昂な老人たち、
仮面の機動隊員と対照的な美しい表情の顔ばかりです。

上がるかとみえた雨が激しく降り出し、
どしゃ降りになった昼過ぎに体力限界で引き上げました。
バリケードから抜けるとき、うちの車も泣いて・・
帰り道、他県の装甲車が何十台も待機しているのを、
たまらない思いで睨みながら、夕暮れ以降に起こることに悔し涙でした。

悔しいけれど、できることをそれぞれが長~い時間軸で、
がんばらない、あきらめないで続けていくってことでしょうか。
緊迫しながらも非暴力に徹したお祭り空間、今もあらたに現場に向かう人たちが
います。
これはひとつの始まり、ジブンたちの力を信じたい。


(引用はここまで)
*********

こうした現場の姿は、動画や写真などで随分、たくさん私たちのもとに
届きました。

みなさん、それぞれにいろいろな動画をお持ちでしょうが、ここでは山水人
(やまうと)というMLへの、友人のフージーさんの動画投稿をご紹介します。

***

フージーです。

昨日の最前線。機動隊によって最前線が後退したので僕が最前線になってしもてる。
http://youtu.be/1rlXdPyX8ug
http://youtu.be/2MMxQczpXwo

***

ちなみにこのMLには山水人の主宰者の一人、祖牛さんが現場の様子を流し続け
ました。ここで当日の朝からのものをまとめてご紹介したいと思います。
臨場感を味わってください。


祖牛さんの現場報告(6月30日~7月2日)

6月30日午後11時5分

祖牛です。
現在の大飯原発ゲート前の状況。
機動隊が装甲車の中に入り休憩中、その間に仲間の車でバリケードを再構築。
PAが運び込まれ、ゲート前でライブが始まりそうです。これからどういう展開に
なるか分かりませんか、ゲート前に来る道は封鎖されていません。
明日の朝にまた応援が増えそうですが、明日が再稼働予定の日です。
集まって下さい。

7月1日午前1時25分

祖牛です。
大飯原発ゲート前です。
ゲートを挟んで内と外の人間バリケードの空間で、はちようびとジャンベ軍団の
ライブのリズムに乗って、再稼働反対のコールが激しく、現在、機動隊の動きが
止まっています。
夜が明けるまで、機動隊の攻撃が無いこと切に願います。
応援を待っています。

7月1日午前6時32分

おはようございます。祖牛です。
大飯原発ゲート前、朝を無事迎えました。
ゲート内側の仲間たちは、雨にうたれながら一晩中、太鼓隊に元気づけられ、再
稼働反対を叫び、機動隊と対峙しました。
ゲートの外側では、人間の鎖の前でダッチマンのヒューマンエラーをながしてい
ます。夜明け前から大鹿や岡山の仲間たち、そして各地から参加者が増えている
状況ですが、再稼働前に、あの町長と大臣が来るとの情報です。それまでに機動隊
による何らかの強制排除があると予想されます。
まだまだ、人数が足りません、応援をお願いしたいです。
とにかく、今日が再稼働の日です。

7月1日午前9時25分

祖牛です。
皆さんありがたいです。
明るくなってから東京からの大型バスの人達も加わって、参加者がとても多くなっ
てきました。雨もきつくなってきましたが、徹夜組も元気をとりもどしています。
心配なのは、いつ機動隊が動き始めるかです。
再稼働予定は午後9時だそうです。
まだまだ間に合うので、応援をお願い致します。

7月1日午後6時7分

祖牛です。
ついに、警察の実力行使が始まります。
暴力反対!

7月1日午後10時

祖牛です。
ゲート前より
大飯原発3号機、再稼働したようですね。
ここからはまったくわかりません。

こちらの状況は、実力行使に警察が入ってから3時間余り。
一番外側の座り込みのバリケードは暴力的に引き抜かれ、その次の自動車のバリケ
ードを警察は突破。
ゲートに鎖でくくりつけた仲間たちと対峙。
そのゲートの原発側に約50人の仲間が、ドラム隊のリズムに乗って、完全武装の
機動隊に押し返されないように頑張っています。

残った仲間たちは、座り込みのラインからかなり押し出され機動隊と対峙して、
ゲート内側に孤立した仲間を励ますように抗議を続けています。
警察は解散しなければ実力で排除すると指揮車から再三通告していますが、中に
孤立している仲間たちを勇気づけるためにも続けるしかありません。

中で頑張っている仲間がこれからどうなるのか、非常に心配です。
今のところは、逮捕者は出ていません。みんな非暴力を徹底しています。

7月2日午前12時25分

祖牛です。
大飯原発ゲート前から
今、突然に一番外側で封鎖線をつくっていた警察隊が引き上げました。
分断されていた外側の仲間が、孤立化していたゲート内側の仲間の所に、歓声を上
げなだれ込みました。
しかし、依然、原発を守る完全武装の機動隊は隊列をなし封鎖を続けていますが、
一気にお祭りになっています。
この急展開に、私は戸惑っています。
どのような結末を迎えるか安心はしていませんが、とにくこの瞬間は皆、
大喜びです。
また、報告致します。

7月2日午前2時40分

祖牛です。只今、無事に帰路についています。
その後、自然な流れで衝突も無く、収束に向かっていきました。
再稼働はしたけれど、みんな明るく、達成感にあふれた表情をしていました。
長い2日間でした。
色々と応援していただいた皆様に感謝です。


(引用はここまで)
*********

こうした現地の熱い活動を、海外のメディアも積極的に取り上げてくれました。
福島事故のあった日本の中で、私たちが原子力政策にどういう態度をとるのか
世界が大きく注目していることがこれらの報道から見て取れます。
いくつか拾ったものを紹介します。NHKが海外向けに報道しているNHKWORLDの
ものあります。それぞれ写真や動画などが見れますのでご覧ください。

ALJAZEERA
http://www.aljazeera.com/news/asia-pacific/2012/07/201271102219570481.html

the guardian
http://www.guardian.co.uk/world/2012/jul/01/japan-protest-nuclear-plant-reopens?newsfeed=true

ル・モンド紙
http://www.lemonde.fr/japon/article/2012/07/01/le-japon-redemarre-un-reacteur-nucleaire-dans-la-kansai_1727551_1492975.html

BBC紙
http://www.bbc.co.uk/news/world-asia-18662892

ドイツARDテレビ
http://www.youtube.com/watch?v=E4vlXa45HO4&feature=relmfu

NHK WORLD 
http://www3.nhk.or.jp/daily/english/20120701_13.html

*****

以上、現地の様子を拾いました。ぜひ追体験しましょう。
そうしてこの経験を、私たちみんなのものにしましょう。
そのために、「明日に向けて」の次の号で、もう少し、現地の様子を
拾おうと思います。次は、やはり現地から発信を続けてくれていた
「いっぽんのこころ」さんの報告など取り上げさせて
いただく予定です。

紫陽花革命をさらに前に進めるために、貴重な体験のシェアを
じっくり進めましょう!







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明日に向けて(502)京都で3つの講演・企画に参加します!(6,7,8日)

2012年07月04日 13時00分00秒 | 明日に向けて(501)~(600)
守田です。(20120704 13:00)

今週末に、3つの講演会と企画に参加します。

7月6日に京都市北区の白い鳩保育園でお話します。
今回は放射能の子どもへの影響を少し詳しくお話しようと思います。

7月7日に京都市東山区で、友人で小水力発電のおおいなる仕掛け人、
古谷桂信さんと対談します。
大飯原発再稼動批判から、なぜ今、自然エネルギーの中でも古谷さんが
小水力に着目し、推進しているのかを僕が聞きだします!

7月8日に京都府長岡京市でお話します。
ここでも放射能の子どもへの影響を少し詳しくお話します。

以上、近くのみなさま、どうかお越しください!

*************

7月6日 京都市北区

放射能から子どもを守るために
-親が知るべき事実-

2012年7月6日(金曜日)19時から
場所 白い鳩保育園

ジャーナリスト守田敏也さん講演

内容
*放射能は子どもにどんな影響があるのか??
*食品の汚染は私たちの体にどんな影響があるのか??
*がれき受け入れをどう考えるのか??
*私たちにできることは??
*福島の今について

などなど。質問・疑問もどんどん待っています!!

主催
白い鳩保育園保護者会
白い鳩保育園
白い鳩保育園労働組合

注意事項
・路駐はしないこと
・当園児以外は保育ができません。
・園以外の方も誰でも聞きに来てください。

*何度も被災地に足を運び、除染プロジェクトに参加されたり、仮設住宅
に自転車を送る活動の支援や内部被曝の講演など、幅広く活躍されている
守田さんにさまざまなお話をしていただきます。

園へのアクセス
http://www.khf.ne.jp/shiroihato/access.html

***********

7月7日 京都市東山区

いまこそ原発を問う連続講座 ⑤

「ROAD TO 脱原発 電気を我らに!
~クリーン・エネルギーの可能性」              
     
日時  2012年 7月7日(土)午後 1:00~3:00(12:30開場)

提言   麻生 義継さん(「自然エネルギー市民の会」常任運営委員)
対談  古谷 桂信さん(フォトジャーナリスト、全国小水力発電利用推進協議会理事)
    守田 敏也さん(フリーライター )           
             
会場 東山いきいき市民活動センター 3階多目的ホール
http://hitomachi-kyoto.genki365.net/gnkk14/mypage/index.php?gid=G0000799

京都市東山区巽町450番地 TEL075-541-5151     
京阪電車「三条」駅地下鉄東西線「東山」駅より徒歩5分

参加費 500円

原発はあまりにリスクが大き過ぎる。
でも、電気は必要……。
そこで自然エネルギーへの転換が求められています。     
脱原発の思いを着実に、見える形で実現するために、     
さまざまな発電方法や蓄電技術が開発され、
それを後押しする「固定価格買取制度」も7月から発足。
そんないま、<電気を我らに!>を合い言葉に、
小水力発電などクリーンなエネルギーの可能性について、
実際に取り組んでいる方々のお話を聞き、
一緒に考えてみましょう。

主催「いまこそ原発を問う連続講座」実行委員会
問合せ 090-2199-5208(おおすが) 
http://d.hatena.ne.jp/genpatsu-iyayo/20120612/1339482771

*****

7月8日 長岡京市

3.11後の子育てを考えるお話会

いま子育て中のお父さんお母さん、
これから親になる人、おじいちゃんおばあちゃん。
全ての大人たちに聞いてほしい大切なこと。

昨年3月の東京電力福島第一原発事故によって、日本の広い範囲が放射能に
汚染されてしまいました。私たちの住む長岡京市でも、小学校・公立保育所
で給食の放射能測定が始まります。私たちを取り巻く環境は、震災後どのよ
うに変わったのでしょうか。「放射能ってなに?」「ベクレルとシーベルト
の違いって?」「汚染された食品を食べ続けるとどうなるの?」「がれきは
焼却しても大丈夫?」…

かけがえのない子どもたちを守り育てるために、まずは「知る」ことから
始めませんか?子育て中の方もそうでない方も、いま私たちにできることは
何か一緒に考えていきましょう。

日 時: 7 月 8 日 (日) 14 時~16 時 30 分
場 所: バンビオ2階・市民ギャラリー (JR 長岡京駅徒歩1分)
http://www.bambio-ogbc.jp/access/

講 師: 守田敏也さん
ゲストスピーカー:佐野宏美さん (「放射能から子どもを守る会・高槻」代表)

定 員: 40 名 (予約不要)
参加費: 500 円 (資料付)

守田敏也さん
同志社大学社会的共通資本研究センター客員フェローなどを経て、現在フリー
ライター。東日本大震災以降、度々現地を訪れ、原発事故や内部被曝に関する
問題を追究。今春、矢ヶ克馬氏との共著『内部被曝』(岩波ブックレット)
を出版。京都市在住。

主催: 子どもを放射能から守りたい親の会・長岡京

子どものいのちと健康を守りたいと願う長岡京市のお父さん・お母さんが
facebook を媒介につながったグループです。
(お問合せ)kodomo.nagaokakyo☆gmail.com (☆を半角@に)
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