守田です。(20120727 22:30)
7月24日に文科省より、ストロンチウムの測定結果が公表されました。
これをどう見るのか、解析を試みてみたいと思います。ニュースは幾つかの媒
体から発信されていますが、時事通信ものをまずは紹介しておきます。
***
10都県で過去11年の最大値=ストロンチウム90の降下量-測定結果公表・文科省
時事ドットコム 20120724-16:52
文部科学省は24日、東京電力福島第1原発事故で放出されたとみられる放射
性ストロンチウム90が、大気中から地上に降った量(降下量)の都道府県別
測定結果を公表した。津波や事故の影響で測定できない宮城、福島両県を除く
と、茨城県など10都県で、事故前11年間の最大値を上回る値を記録。最も
多かったのは昨年3月の茨城県で、1平方キロ当たり600万ベクレルだった。
文科省によると、測定は直径2メートルの水盤を1カ月間屋外に置き、たまっ
たちりなどを採取して放射性物質の量を調べた。
2000年以降、事故前までの最大値は06年2月に北海道で測定された同30
万ベクレルで、1960年代の大気圏内核実験の影響。事故後は、茨城のほか、
岩手、秋田、山形、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川の各都県でこの値
を超えた。原発事故の影響とみられる。
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2012072400675
引用はここまで
***
まず注目すべきことは、昨年の事故後に「ストロンチウムは重いから遠くまで
飛ばない」などという言説が繰り返し流布されましたが、実際には茨城、岩手、
秋田、山形、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川各県まで飛散していたこ
とが公式に認められた点です。残念ながら東北・関東の全域にストロンチウム
は飛散しています。
ではその量はどうなのか。いつものように文科省は「微量」「安全」を繰り返し
ています。読売新聞からこの点を引用すると以下のように書かれています。
***
「今回の調査での最大値は、茨城県ひたちなか市で昨年3月1か月間に採取され
た1平方メートル当たり6ベクレル。大気圏内核実験が盛んだった1960年代
前半に観測された最大値の60分の1程度で、同省は「健康への影響はほとんど
考慮しなくていい」としている」。
引用はここまで
***
ちなみに時事通信だけ1平方キロあたり600万ベクレルという書き方をしており
読売はじめ他社はみな1平米あたり6ベクレルと書いています。この方が小さくみ
える。東電が繰り返してきた発表形式ですが、ここにあるように、この量は大気圏
内核実験が盛んだった1960年代前半の60分の1程度だ!と書かれています。
核実験による汚染を考える
まずこれまでも繰り返されてきた「核実験のときの○○分の1」という言い方につ
いて言えば、それが何ら安全性を示すものではないことに注意を喚起しておきたい
と思います。というより、私たちはこうした核実験による汚染に対して、今更なが
らに憤慨しなければいけません。
例えば私は1959年生まれです。1960年代前半と言えばまさに赤ん坊のとき、幼年期
で、放射線に一番弱い時期でした。そのときに膨大な量の放射能が撒かれていた。
そしてその何がしかを私たちの世代は取り込んできているのでしょう。このことで
私たちはさまざまな健康被害をすでに被っているのだと思えます。
とくに最近、私たちの国では2人に1人がいずれはガンにかかると言われています。
何かそれが「自然」のことのように受け取ってしまっていますが、これはこの頃の
核実験の影響でもあるのではないか。いや少なくとも私たちの世代、あるいはそれ
以前の世代に発生しているガンのうち、確実に幾つかのものは、ばらまかれたスト
ロンチウムを起因とするものなのです。
にもかかわらず、私たちの世代で、この場合、国際的にですが、ただの一人でも、
「あなたは核実験のせいでガンになりました。なので補償させていただきます」な
どという勧告を受けた方はいるでしょうか。まるでいません。つまりひき逃げなら
ぬ「曝露逃げ!」をされているのです。放射能汚染が、「完全犯罪」であるゆえん
です。膨大な放射能がまいた事実ははっきりしているのに、たったの一人も被害者
が認知されていない。ものすごい社会的不正義です。
この点で私たちは「核実験より少ないから大丈夫」というレトリックにけしてのせ
られないようにしましょう。むしろ反対に「核実験における被害を補償せよ」との
声を上げるべきです。ちなみにICRP(国際放射線防護委員会)は、戦後社会で繰り
返された核実験による死者を100万人以上と見積もっています。ECRRは、そんなに
少ないはずがないとして6000万人以上という数値を出していますが、最低でも100
万人の殺人が行われながら、犯人が一人も捕まっていないのが私たちの世界なの
です。これはあまりに非道です。このことをけして忘れないようにしましょう。
公表された数値についてどう考えるか
続いて今回、発表された数値について考察します。最大で1平方キロあたり600万
ベクレルという数値についてですが、まず指摘しなければならないのは、これまで
文科省が、測定によるごまかしを繰り返し行ってきていることです。例えば福島
では、学校に空間線量計を導入するときに、業者にあらかじめ数値を低く出すよう
に「指導」を行った事実があります。
あるいは、多くの地域で「モニタリングポスト」を設置する際、その周辺だけあら
かじめ除洗して数値を下げることを繰り返してきました。何ともすぐにバレる小細
工で、みていて悲しくなるのですが、こうしたことが本当に、大規模に、かつあた
り前のように繰り返されてきています。なので文科省の出す数値は、実測よりかな
り低めになっているのではないかと疑わざるを得ません。
これは放射性物質の測りにくさにも連動することです。測りにくいので、いい加減
に測れば数値はすぐに低くなる。例えば時間を短くすることなどでそうなるのです
が、これまでできるだけ被害を小さく見せようとしてきた文科省が、こうした手段
をも使って、数値をさげてみせていることは十分に考えられます。
なんだか考察していて嫌になってきますが、こうした真実の隠蔽体質、何かを発表
するときは、必ず比較対象を持ってきて「これより少ないから安全だ」「健康への
被害はほとんど考慮しなくていい」と繰り返す体質そのものが、かえって人々の
疑心をかきたてていることに気づいて欲しいものです。いや「疑心」というのは
正しくない。そこで人々が自ら科学的に考察しはじめるとどんどん「ウソ」が暴か
れてくる。疑心ではなく正しい批判であったことが繰り返し証明されている。
それからこの数値はもっと高く見積もる必要があります。ただしいくらの係数をか
ければいいとかそうした判断はできません。少なくとも、もっと低い値が出るよう
に計測がなされているだろうこと、だからこれを最低値として、もっと高い値が
実際のものだろうということを考えざるをえないということです。
ただそうは言っても、この数字がまったく無意味かというとそうとは言えないと思
います。数値のごまかしの手段は多々ありますが、さすがに100倍、1000倍の単位で
ごまかしているとは思えない。なので信頼性は薄いけれども、一つの指標としてこ
れを活用することが大事です。ストロンチウムが市民的にはなかなか測れないため
にこれをうまく活用せざるをえないとも言えます。
数値をどのように判断するのか
ではどのようにこの数値からの判断を引き出すべきでしょうか。一つには1平方キロ
メー600万ベクレル、つまり1平方メートル6ベクレルという数値をどうみるかです。
これはセシウムだったら確かに恐ろしくない値であるといえます。しかしストロン
チウムは、体内に入るとセシウムよりもはるかに長くとどまるので、その危険性は
数百倍だと言われています。これに文科省の測定の信頼性が低いことを加味すると、
セシウムでの感覚では何千ベクレル・・・と見積もった方が良いでしょう。
それでもまだまだセシウムの現実の汚染度から比べると「低い」感じがするのでは
と思うのですが、肝心なのはここから先で、こうして飛散していることが確実になっ
たストロンチウムが、そこここで濃縮されてホットスポットを作っている可能性が
あることです。そうなると数値は一気に高くなる。そうしたものの存在がやはり一
番恐ろしい。
しかも注意すべきことは、ストロンチウムはセシウムと一緒に移動している場合が
多く、セシウムの作るホットスポットに同じように集まっている可能性が高いとい
うことです。なのでセシウムのホットスポットの危険性が、ストロンチウムの存在に
よってさらに高いものになっていることを認識すべきだと思います。
実はこのことはすでに横浜で示されていたのでした。昨年9月に、横浜港北区のマン
ション屋上から、1kgあたり195ベクレルのストロンチウム90が検出された件です。
今回、文科省は神奈川県までストロンチウムが飛散していることを認めたわけですが、
それが作り出したホットスポットがこのとき市民によって見つけられたのでした。と
すれば同じような汚染を形作っているところがいたるところにあるはずです。
ここから考えるべき点は、少なくともストロンチウムの飛散が伝えられた各県では、
セシウムが濃縮したホットスポットないしマイクロホットスポットには、ストロンチ
ウムもまた濃縮している可能性が高く、極めて危険な状態を作り出しているという
ことです。このため、こうしたホットスポットのそばではマスクは必携です。とくに
今は夏で猛暑が続いています。ジメジメした水だまりに形成されやすいマイクロホッ
トスポットが照りつける日差しでカラカラに乾燥し、土埃となって浮遊しやすい状態
になっています。これが風に運ばれやすい。そのため土埃の舞いそうなところでは
とくに注意が必要です。
膨大な量が海に流れ込み・・・
一方でここで過去に明らかにされたストロンチウムの動向から解析を重ねてみたいと
思います。その場合、一番深刻なのは、昨年12月18日に朝日新聞が発表したストロン
チウム漏れに関する試算です。東電のデータを解析した朝日新聞はこのとき海に流れ
出したストロンチウムの総量を462兆ベクレルと計算しています。ヨウ素とセシウム
4720兆ベクレルのなんと10分の1にもあたる量です。
これはどこに行ってしまったのでしょうか?まず魚を見てみた場合、水産庁の以下の
データで福島沖の魚からストロンチウムが検出されていることが報告されています。
http://www.jfa.maff.go.jp/j/sigen/housyaseibussitutyousakekka/pdf/120511_sr_result.pdf
検出日は昨年の4月21日が1件、12月21日が3件、本年1月18日が1件、魚の種類は、
マダラ、シロメバル、ムシガレイ、ゴマサバ、イシカワシラウオです。値はストロンチ
ウム90で1キログラムあたり0.03から1.2ベクレル。検出限界0.03で測定
されています。これらの魚は海の底に棲息しているものが多いことから、ストロンチウ
ムが海底に積もっていることが予測されます。
一方で水産庁のこのデータをみて一番強く思うのは、昨年からストロンチウムの海への
流出がさかんに指摘され、水産庁からストロンチウム調査を行うという発言が繰り返さ
れたにもかかわらず、発表されてるのがわずか13検体というとてつもなく少ない検査
でしかないことです。これでは測らないことによって、汚染実態を隠しているとしか
いいようがありません。462兆ベクレルものストロンチウムを漏らしながらわずか
13の検体しか調べていない。本当に悲しくなるほどずさんな調査です。ただちにこの
点をあらためて、もっとしっかりとした調査せよといいたいです。
以上から言えること
このように見てくると、今回の調査から言えることは、当初の原子力を推進したきた
人々の言動とは違い、ストロンチウムは福島原発から約250キロ離れた横浜を始め
東北・関東の非常に広い地域に飛散していること。それがホットスポットを形成して
いる可能性があり、厳重な注意が求められること。
海により膨大な量のストロンチウムが流れ込んでいながら、ほとんどまともな追跡調査
がなされていないこと。海に流れ込んだものの挙動の把握があまりになされておらず、
これがどのような形で私たちの生活圏に入り込んでくるのかが未知数であり、考えられ
る防御を重ねていく必要があること。この二つを引き出すことができると思います。
とくに海に入り込んだストロンチウムは、潮風にのって海岸線から陸地に舞い戻ってき
ている可能性が高いのではないかと思えます。海際にある原子炉から流れ込んでいるこ
とを考えるならば、十分ありうる可能性です。そのため今後は、原発に近いところから
海岸線の汚染調査を深める必要があるのではないでしょうか。とくにストロンチウムが
海から陸上にあがってきていないかを徹底して調べるべきです。
ストロンチウムについてのウォッチをさらに継続します。
なお、これまでストロンチウムについて述べたバックナンバーを紹介したのちに
幾つかの記事を貼り付けておきます。
*****
明日に向けて(446)膨大なストロンチウムが環境を汚染している!(焼却は極度に危険)
20120409
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/2e5cab4b20a545032ace3fe119c61d64
明日に向けて(347)4兆5千億ベクレル以上のストロンチウムが漏れ出している
20111205
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/2f48916ed9a40591031752e7a12fb858
明日に向けて(292)「プルトニウムは重いから飛ばない」というのはウソ!
20111013
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/16457148fe8f56cb730f29c1c118a2b9
明日に向けて(290)放射性物質:横浜でストロンチウム検出
20111012
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/bcd30bd2d0527804dfe48829eab3749d
明日に向けて(149)キュリウム・アメリシウム・ストロンチウムが検出された!
20110614
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/29360d5be7cccc6d875fbd108858455c
明日に向けて(141)福島県内11か所からストロンチウムを検出
20110609
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/0c666a3aaea2906ae4e6647490e5f7a9
*******
10都県で放射性ストロンチウム検出
NHKNEWSWEB 7月24日 19時56分
東京電力福島第一原子力発電所の事故で放出された可能性がある放射性物質
ストロンチウム90が、茨城や東京など10の都県でも検出されたことが文部
科学省の調査で分かりました。
こうしたストロンチウムが文部科学省の調査で検出されたのは、福島、宮城以
外では初めてですが、「濃度は非常に低く、健康への影響はほとんどない」と
いうことです。
この調査は、文部科学省が全国の都道府県で原発事故の前から毎月、行っていた
もので、今回は事故の影響もあって、おととし4月から去年12月までのデータ
が24日、公表されました。
それによりますと、原発事故で放出された可能性があるストロンチウム90は、
すでに別の調査で検出された福島、宮城以外にも、秋田、岩手、山形、茨城、
神奈川、群馬、埼玉、千葉、東京、栃木の10の都県で検出されたことが分かり
ました。
このうち最も数値が高かったのは、茨城県ひたちなか市の去年3月のサンプルで、
ストロンチウム90の濃度は1平方メートルあたり6ベクレルでしたが、同じ
サンプルに含まれた放射性セシウムの2850分の1程度だったということです。
文部科学省は「濃度は、放射性セシウムに比べて非常に低く、健康への影響は
ほとんどないと考えられる」としています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120724/k10013823121000.html
***
原発事故のストロンチウムか…10都県で確認
読売新聞 2012年7月24日19時44分
文部科学省は24日、各都道府県で実施する大気中からの降下物に含まれる放射
性物質の測定結果を公表した。
東京電力福島第一原子力発電所事故のあった昨年3~12月までの試料を分析した
結果、岩手県から神奈川県にかけた10都県で、2000年以降の水準(1平方
メートル当たり0・3ベクレル)に比べて高い値の放射性ストロンチウムが検出
された。同省によると、同事故で広がった可能性が高いという。
各都道府県では雨や風で降下したちりなどを集めて、それに含まれる放射性物質
を測定している。00年以降の水準を超える値のストロンチウム90が検出され
たのは岩手、秋田、山形、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川の計
10都県。福島、宮城両県では土壌を採取した別の調査で既に放射性ストロンチ
ウムが確認されている。
今回の調査での最大値は、茨城県ひたちなか市で昨年3月1か月間に採取された
1平方メートル当たり6ベクレル。大気圏内核実験が盛んだった1960年代
前半に観測された最大値の60分の1程度で、同省は「健康への影響はほとんど
考慮しなくていい」としている。
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20120724-OYT1T01117.htm
***
福島原発事故由来のストロンチウム、10都県で初確認
朝日新聞 2012年7月24日21時49分
東京電力福島第一原発の事故後、大気中に放出された放射性ストロンチウム90
が福島、宮城両県以外の10都県で確認された。文部科学省が24日発表した。
茨城県では、2000年から事故前までの国内の最大値を20倍上回る1平方
メートルあたり6ベクレルが検出された。これは大気圏内核実験が盛んだった
1960年代に国内で観測された最大値の60分の1程度になる。
原発事故が原因と確認されたのは岩手、秋田、山形、茨城、栃木、群馬、埼玉、
千葉、東京、神奈川の10都県。いずれも昨年3~4月に観測された。事故で
放射性セシウムが広範囲に拡散したことから、ストロンチウム90についても
拡散が予想されていたが、国の調査で、宮城、福島両県以外で原発事故による
ストロンチウム90が確認されたのは初めて。
文科省が発表したのは、1カ月間に屋外の容器に降下してたまったちりに含ま
れるストロンチウム90の量。2010年4月から11年12月にかけ、47
都道府県の測定所で月ごとに調べた。
1平方メートルあたりの降下量が最も多かったのは茨城県(測定所・ひたちな
か市)で6.0ベクレル。群馬県(前橋市)の1.9ベクレル、山形県(山形
市)の1.6ベクレルと続いた。10都県で原発から最も遠い神奈川県(茅ケ
崎市)は0.47ベクレルだった。
00年から原発事故までの最大値は06年2月に北海道で観測された0.30
ベクレルで、茨城県の観測値はその20倍。10都県の値はいずれも0.30
ベクレルを上回り、事故直後に観測されたため、原発から放出されたものと
判断した。
過去のストロンチウム90の観測値は、1963年の仙台市での358ベクレル
が最高。核実験の実施回数が減り、その後は減少を続けたが、86年、旧ソ連
のチェルノブイリ原発事故の影響で一時上昇し、秋田県で6.1ベクレルを
観測した。今回の茨城県もほぼ同じ値で、健康への影響はほぼないと専門家は
みている。
文科省によると、宮城県は津波の影響で測定施設のデータが修復できず、福島県
は施設が警戒区域内にあって分析環境が整わず、いずれも公表できなかった。
ただ、福島県分は今後集計する。両県では、昨年6月の文科省の土壌調査で原発
から放出されたストロンチウムが確認されている。
文科省はこれまで、ストロンチウム90の降下量をほぼ1年遅れで発表しており、
昨年3月の観測値は今年1~3月ごろに公表されるはずだった。公表が遅れた
理由について、文科省の担当者は「事故の影響でセシウムやヨウ素など主要な
核種の検査を優先したため、ストロンチウムの分析が遅れた」と説明している。
(石塚広志)
http://www.asahi.com/national/update/0724/TKY201207240365.html
7月24日に文科省より、ストロンチウムの測定結果が公表されました。
これをどう見るのか、解析を試みてみたいと思います。ニュースは幾つかの媒
体から発信されていますが、時事通信ものをまずは紹介しておきます。
***
10都県で過去11年の最大値=ストロンチウム90の降下量-測定結果公表・文科省
時事ドットコム 20120724-16:52
文部科学省は24日、東京電力福島第1原発事故で放出されたとみられる放射
性ストロンチウム90が、大気中から地上に降った量(降下量)の都道府県別
測定結果を公表した。津波や事故の影響で測定できない宮城、福島両県を除く
と、茨城県など10都県で、事故前11年間の最大値を上回る値を記録。最も
多かったのは昨年3月の茨城県で、1平方キロ当たり600万ベクレルだった。
文科省によると、測定は直径2メートルの水盤を1カ月間屋外に置き、たまっ
たちりなどを採取して放射性物質の量を調べた。
2000年以降、事故前までの最大値は06年2月に北海道で測定された同30
万ベクレルで、1960年代の大気圏内核実験の影響。事故後は、茨城のほか、
岩手、秋田、山形、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川の各都県でこの値
を超えた。原発事故の影響とみられる。
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2012072400675
引用はここまで
***
まず注目すべきことは、昨年の事故後に「ストロンチウムは重いから遠くまで
飛ばない」などという言説が繰り返し流布されましたが、実際には茨城、岩手、
秋田、山形、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川各県まで飛散していたこ
とが公式に認められた点です。残念ながら東北・関東の全域にストロンチウム
は飛散しています。
ではその量はどうなのか。いつものように文科省は「微量」「安全」を繰り返し
ています。読売新聞からこの点を引用すると以下のように書かれています。
***
「今回の調査での最大値は、茨城県ひたちなか市で昨年3月1か月間に採取され
た1平方メートル当たり6ベクレル。大気圏内核実験が盛んだった1960年代
前半に観測された最大値の60分の1程度で、同省は「健康への影響はほとんど
考慮しなくていい」としている」。
引用はここまで
***
ちなみに時事通信だけ1平方キロあたり600万ベクレルという書き方をしており
読売はじめ他社はみな1平米あたり6ベクレルと書いています。この方が小さくみ
える。東電が繰り返してきた発表形式ですが、ここにあるように、この量は大気圏
内核実験が盛んだった1960年代前半の60分の1程度だ!と書かれています。
核実験による汚染を考える
まずこれまでも繰り返されてきた「核実験のときの○○分の1」という言い方につ
いて言えば、それが何ら安全性を示すものではないことに注意を喚起しておきたい
と思います。というより、私たちはこうした核実験による汚染に対して、今更なが
らに憤慨しなければいけません。
例えば私は1959年生まれです。1960年代前半と言えばまさに赤ん坊のとき、幼年期
で、放射線に一番弱い時期でした。そのときに膨大な量の放射能が撒かれていた。
そしてその何がしかを私たちの世代は取り込んできているのでしょう。このことで
私たちはさまざまな健康被害をすでに被っているのだと思えます。
とくに最近、私たちの国では2人に1人がいずれはガンにかかると言われています。
何かそれが「自然」のことのように受け取ってしまっていますが、これはこの頃の
核実験の影響でもあるのではないか。いや少なくとも私たちの世代、あるいはそれ
以前の世代に発生しているガンのうち、確実に幾つかのものは、ばらまかれたスト
ロンチウムを起因とするものなのです。
にもかかわらず、私たちの世代で、この場合、国際的にですが、ただの一人でも、
「あなたは核実験のせいでガンになりました。なので補償させていただきます」な
どという勧告を受けた方はいるでしょうか。まるでいません。つまりひき逃げなら
ぬ「曝露逃げ!」をされているのです。放射能汚染が、「完全犯罪」であるゆえん
です。膨大な放射能がまいた事実ははっきりしているのに、たったの一人も被害者
が認知されていない。ものすごい社会的不正義です。
この点で私たちは「核実験より少ないから大丈夫」というレトリックにけしてのせ
られないようにしましょう。むしろ反対に「核実験における被害を補償せよ」との
声を上げるべきです。ちなみにICRP(国際放射線防護委員会)は、戦後社会で繰り
返された核実験による死者を100万人以上と見積もっています。ECRRは、そんなに
少ないはずがないとして6000万人以上という数値を出していますが、最低でも100
万人の殺人が行われながら、犯人が一人も捕まっていないのが私たちの世界なの
です。これはあまりに非道です。このことをけして忘れないようにしましょう。
公表された数値についてどう考えるか
続いて今回、発表された数値について考察します。最大で1平方キロあたり600万
ベクレルという数値についてですが、まず指摘しなければならないのは、これまで
文科省が、測定によるごまかしを繰り返し行ってきていることです。例えば福島
では、学校に空間線量計を導入するときに、業者にあらかじめ数値を低く出すよう
に「指導」を行った事実があります。
あるいは、多くの地域で「モニタリングポスト」を設置する際、その周辺だけあら
かじめ除洗して数値を下げることを繰り返してきました。何ともすぐにバレる小細
工で、みていて悲しくなるのですが、こうしたことが本当に、大規模に、かつあた
り前のように繰り返されてきています。なので文科省の出す数値は、実測よりかな
り低めになっているのではないかと疑わざるを得ません。
これは放射性物質の測りにくさにも連動することです。測りにくいので、いい加減
に測れば数値はすぐに低くなる。例えば時間を短くすることなどでそうなるのです
が、これまでできるだけ被害を小さく見せようとしてきた文科省が、こうした手段
をも使って、数値をさげてみせていることは十分に考えられます。
なんだか考察していて嫌になってきますが、こうした真実の隠蔽体質、何かを発表
するときは、必ず比較対象を持ってきて「これより少ないから安全だ」「健康への
被害はほとんど考慮しなくていい」と繰り返す体質そのものが、かえって人々の
疑心をかきたてていることに気づいて欲しいものです。いや「疑心」というのは
正しくない。そこで人々が自ら科学的に考察しはじめるとどんどん「ウソ」が暴か
れてくる。疑心ではなく正しい批判であったことが繰り返し証明されている。
それからこの数値はもっと高く見積もる必要があります。ただしいくらの係数をか
ければいいとかそうした判断はできません。少なくとも、もっと低い値が出るよう
に計測がなされているだろうこと、だからこれを最低値として、もっと高い値が
実際のものだろうということを考えざるをえないということです。
ただそうは言っても、この数字がまったく無意味かというとそうとは言えないと思
います。数値のごまかしの手段は多々ありますが、さすがに100倍、1000倍の単位で
ごまかしているとは思えない。なので信頼性は薄いけれども、一つの指標としてこ
れを活用することが大事です。ストロンチウムが市民的にはなかなか測れないため
にこれをうまく活用せざるをえないとも言えます。
数値をどのように判断するのか
ではどのようにこの数値からの判断を引き出すべきでしょうか。一つには1平方キロ
メー600万ベクレル、つまり1平方メートル6ベクレルという数値をどうみるかです。
これはセシウムだったら確かに恐ろしくない値であるといえます。しかしストロン
チウムは、体内に入るとセシウムよりもはるかに長くとどまるので、その危険性は
数百倍だと言われています。これに文科省の測定の信頼性が低いことを加味すると、
セシウムでの感覚では何千ベクレル・・・と見積もった方が良いでしょう。
それでもまだまだセシウムの現実の汚染度から比べると「低い」感じがするのでは
と思うのですが、肝心なのはここから先で、こうして飛散していることが確実になっ
たストロンチウムが、そこここで濃縮されてホットスポットを作っている可能性が
あることです。そうなると数値は一気に高くなる。そうしたものの存在がやはり一
番恐ろしい。
しかも注意すべきことは、ストロンチウムはセシウムと一緒に移動している場合が
多く、セシウムの作るホットスポットに同じように集まっている可能性が高いとい
うことです。なのでセシウムのホットスポットの危険性が、ストロンチウムの存在に
よってさらに高いものになっていることを認識すべきだと思います。
実はこのことはすでに横浜で示されていたのでした。昨年9月に、横浜港北区のマン
ション屋上から、1kgあたり195ベクレルのストロンチウム90が検出された件です。
今回、文科省は神奈川県までストロンチウムが飛散していることを認めたわけですが、
それが作り出したホットスポットがこのとき市民によって見つけられたのでした。と
すれば同じような汚染を形作っているところがいたるところにあるはずです。
ここから考えるべき点は、少なくともストロンチウムの飛散が伝えられた各県では、
セシウムが濃縮したホットスポットないしマイクロホットスポットには、ストロンチ
ウムもまた濃縮している可能性が高く、極めて危険な状態を作り出しているという
ことです。このため、こうしたホットスポットのそばではマスクは必携です。とくに
今は夏で猛暑が続いています。ジメジメした水だまりに形成されやすいマイクロホッ
トスポットが照りつける日差しでカラカラに乾燥し、土埃となって浮遊しやすい状態
になっています。これが風に運ばれやすい。そのため土埃の舞いそうなところでは
とくに注意が必要です。
膨大な量が海に流れ込み・・・
一方でここで過去に明らかにされたストロンチウムの動向から解析を重ねてみたいと
思います。その場合、一番深刻なのは、昨年12月18日に朝日新聞が発表したストロン
チウム漏れに関する試算です。東電のデータを解析した朝日新聞はこのとき海に流れ
出したストロンチウムの総量を462兆ベクレルと計算しています。ヨウ素とセシウム
4720兆ベクレルのなんと10分の1にもあたる量です。
これはどこに行ってしまったのでしょうか?まず魚を見てみた場合、水産庁の以下の
データで福島沖の魚からストロンチウムが検出されていることが報告されています。
http://www.jfa.maff.go.jp/j/sigen/housyaseibussitutyousakekka/pdf/120511_sr_result.pdf
検出日は昨年の4月21日が1件、12月21日が3件、本年1月18日が1件、魚の種類は、
マダラ、シロメバル、ムシガレイ、ゴマサバ、イシカワシラウオです。値はストロンチ
ウム90で1キログラムあたり0.03から1.2ベクレル。検出限界0.03で測定
されています。これらの魚は海の底に棲息しているものが多いことから、ストロンチウ
ムが海底に積もっていることが予測されます。
一方で水産庁のこのデータをみて一番強く思うのは、昨年からストロンチウムの海への
流出がさかんに指摘され、水産庁からストロンチウム調査を行うという発言が繰り返さ
れたにもかかわらず、発表されてるのがわずか13検体というとてつもなく少ない検査
でしかないことです。これでは測らないことによって、汚染実態を隠しているとしか
いいようがありません。462兆ベクレルものストロンチウムを漏らしながらわずか
13の検体しか調べていない。本当に悲しくなるほどずさんな調査です。ただちにこの
点をあらためて、もっとしっかりとした調査せよといいたいです。
以上から言えること
このように見てくると、今回の調査から言えることは、当初の原子力を推進したきた
人々の言動とは違い、ストロンチウムは福島原発から約250キロ離れた横浜を始め
東北・関東の非常に広い地域に飛散していること。それがホットスポットを形成して
いる可能性があり、厳重な注意が求められること。
海により膨大な量のストロンチウムが流れ込んでいながら、ほとんどまともな追跡調査
がなされていないこと。海に流れ込んだものの挙動の把握があまりになされておらず、
これがどのような形で私たちの生活圏に入り込んでくるのかが未知数であり、考えられ
る防御を重ねていく必要があること。この二つを引き出すことができると思います。
とくに海に入り込んだストロンチウムは、潮風にのって海岸線から陸地に舞い戻ってき
ている可能性が高いのではないかと思えます。海際にある原子炉から流れ込んでいるこ
とを考えるならば、十分ありうる可能性です。そのため今後は、原発に近いところから
海岸線の汚染調査を深める必要があるのではないでしょうか。とくにストロンチウムが
海から陸上にあがってきていないかを徹底して調べるべきです。
ストロンチウムについてのウォッチをさらに継続します。
なお、これまでストロンチウムについて述べたバックナンバーを紹介したのちに
幾つかの記事を貼り付けておきます。
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明日に向けて(446)膨大なストロンチウムが環境を汚染している!(焼却は極度に危険)
20120409
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/2e5cab4b20a545032ace3fe119c61d64
明日に向けて(347)4兆5千億ベクレル以上のストロンチウムが漏れ出している
20111205
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/2f48916ed9a40591031752e7a12fb858
明日に向けて(292)「プルトニウムは重いから飛ばない」というのはウソ!
20111013
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/16457148fe8f56cb730f29c1c118a2b9
明日に向けて(290)放射性物質:横浜でストロンチウム検出
20111012
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/bcd30bd2d0527804dfe48829eab3749d
明日に向けて(149)キュリウム・アメリシウム・ストロンチウムが検出された!
20110614
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/29360d5be7cccc6d875fbd108858455c
明日に向けて(141)福島県内11か所からストロンチウムを検出
20110609
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/0c666a3aaea2906ae4e6647490e5f7a9
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10都県で放射性ストロンチウム検出
NHKNEWSWEB 7月24日 19時56分
東京電力福島第一原子力発電所の事故で放出された可能性がある放射性物質
ストロンチウム90が、茨城や東京など10の都県でも検出されたことが文部
科学省の調査で分かりました。
こうしたストロンチウムが文部科学省の調査で検出されたのは、福島、宮城以
外では初めてですが、「濃度は非常に低く、健康への影響はほとんどない」と
いうことです。
この調査は、文部科学省が全国の都道府県で原発事故の前から毎月、行っていた
もので、今回は事故の影響もあって、おととし4月から去年12月までのデータ
が24日、公表されました。
それによりますと、原発事故で放出された可能性があるストロンチウム90は、
すでに別の調査で検出された福島、宮城以外にも、秋田、岩手、山形、茨城、
神奈川、群馬、埼玉、千葉、東京、栃木の10の都県で検出されたことが分かり
ました。
このうち最も数値が高かったのは、茨城県ひたちなか市の去年3月のサンプルで、
ストロンチウム90の濃度は1平方メートルあたり6ベクレルでしたが、同じ
サンプルに含まれた放射性セシウムの2850分の1程度だったということです。
文部科学省は「濃度は、放射性セシウムに比べて非常に低く、健康への影響は
ほとんどないと考えられる」としています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120724/k10013823121000.html
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原発事故のストロンチウムか…10都県で確認
読売新聞 2012年7月24日19時44分
文部科学省は24日、各都道府県で実施する大気中からの降下物に含まれる放射
性物質の測定結果を公表した。
東京電力福島第一原子力発電所事故のあった昨年3~12月までの試料を分析した
結果、岩手県から神奈川県にかけた10都県で、2000年以降の水準(1平方
メートル当たり0・3ベクレル)に比べて高い値の放射性ストロンチウムが検出
された。同省によると、同事故で広がった可能性が高いという。
各都道府県では雨や風で降下したちりなどを集めて、それに含まれる放射性物質
を測定している。00年以降の水準を超える値のストロンチウム90が検出され
たのは岩手、秋田、山形、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川の計
10都県。福島、宮城両県では土壌を採取した別の調査で既に放射性ストロンチ
ウムが確認されている。
今回の調査での最大値は、茨城県ひたちなか市で昨年3月1か月間に採取された
1平方メートル当たり6ベクレル。大気圏内核実験が盛んだった1960年代
前半に観測された最大値の60分の1程度で、同省は「健康への影響はほとんど
考慮しなくていい」としている。
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20120724-OYT1T01117.htm
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福島原発事故由来のストロンチウム、10都県で初確認
朝日新聞 2012年7月24日21時49分
東京電力福島第一原発の事故後、大気中に放出された放射性ストロンチウム90
が福島、宮城両県以外の10都県で確認された。文部科学省が24日発表した。
茨城県では、2000年から事故前までの国内の最大値を20倍上回る1平方
メートルあたり6ベクレルが検出された。これは大気圏内核実験が盛んだった
1960年代に国内で観測された最大値の60分の1程度になる。
原発事故が原因と確認されたのは岩手、秋田、山形、茨城、栃木、群馬、埼玉、
千葉、東京、神奈川の10都県。いずれも昨年3~4月に観測された。事故で
放射性セシウムが広範囲に拡散したことから、ストロンチウム90についても
拡散が予想されていたが、国の調査で、宮城、福島両県以外で原発事故による
ストロンチウム90が確認されたのは初めて。
文科省が発表したのは、1カ月間に屋外の容器に降下してたまったちりに含ま
れるストロンチウム90の量。2010年4月から11年12月にかけ、47
都道府県の測定所で月ごとに調べた。
1平方メートルあたりの降下量が最も多かったのは茨城県(測定所・ひたちな
か市)で6.0ベクレル。群馬県(前橋市)の1.9ベクレル、山形県(山形
市)の1.6ベクレルと続いた。10都県で原発から最も遠い神奈川県(茅ケ
崎市)は0.47ベクレルだった。
00年から原発事故までの最大値は06年2月に北海道で観測された0.30
ベクレルで、茨城県の観測値はその20倍。10都県の値はいずれも0.30
ベクレルを上回り、事故直後に観測されたため、原発から放出されたものと
判断した。
過去のストロンチウム90の観測値は、1963年の仙台市での358ベクレル
が最高。核実験の実施回数が減り、その後は減少を続けたが、86年、旧ソ連
のチェルノブイリ原発事故の影響で一時上昇し、秋田県で6.1ベクレルを
観測した。今回の茨城県もほぼ同じ値で、健康への影響はほぼないと専門家は
みている。
文科省によると、宮城県は津波の影響で測定施設のデータが修復できず、福島県
は施設が警戒区域内にあって分析環境が整わず、いずれも公表できなかった。
ただ、福島県分は今後集計する。両県では、昨年6月の文科省の土壌調査で原発
から放出されたストロンチウムが確認されている。
文科省はこれまで、ストロンチウム90の降下量をほぼ1年遅れで発表しており、
昨年3月の観測値は今年1~3月ごろに公表されるはずだった。公表が遅れた
理由について、文科省の担当者は「事故の影響でセシウムやヨウ素など主要な
核種の検査を優先したため、ストロンチウムの分析が遅れた」と説明している。
(石塚広志)
http://www.asahi.com/national/update/0724/TKY201207240365.html