守田です。(20130726 12:30)
引き続き東京で情報分析をしています。福島3号機では間違いなく何か異常な事態が起きています。しかしそれがとれほど決定的なものかは分かりません。というか東電自身が事態を把握できていないのではとも思われます。
以下、情報を整理します。まず7月23日の朝日新聞の情報です。3号機から湯気が出ている箇所で562mSvの高線量が記録されています。建屋5階における最高値は2170mSvです。
http://www.asahi.com/national/update/0723/TKY201307230466.html
なおこの湯気が確認されたのは、7月18日です。このとき東電は、報道関係向け一斉メールで、ホウ酸水を準備したことを明らかにしています。
http://www.tepco.co.jp/cc/press/2013/1229044_5117.html
一方で、昨日25日なって原子力規制庁が驚くべきニュースを発表しました。12日に北茨城で7マイクロシーベルトというきわめて高い放射線量が記録されていたというのです。規制庁はこの放射線は福島第一原発由来ではないと断言していますが、だとすれば一体なんなのか。近くには東海村もあります。ともあれ何らかの異常がこの付近で発生していることは間違いないようです。
http://www.47news.jp/CN/201307/CN2013072501002222.html
さらに過去にさかのぼると、7月4日と10日に現場で爆発ないし火災があったのではという情報があります。それぞれの映像をアップします。何らかの火災のようなものが見えます。なおこれらは当初流れたもののすぐに削除されたものをある方がキャッチしていてネットに出したものです。BBCもこれを使ってニュースを流しています。
http://www.youtube.com/watch?v=DLAqZE7xXL0
http://www.youtube.com/watch?v=BY019hV2dWQ
http://www.youtube.com/watch?v=EmBcCVbFJEY
以上、まだこれだけしかつかめていませんが、非常に不穏当な感じ、何らかの危機が迫っているのではという感じがします。東電は雨水が原子炉上部にあたって蒸発しているとの推測を出していますが、雨はこれまでも繰り返し降っていました。そのとき湯気は上がっていません。ということは、原子炉上部がこれまでとは違って高熱になっている現実があるはずです。
また福島原発事故当時を振り返ってみると、この格納容器上部は、シールドが破損して水素が漏れ出した箇所にあたっています。そのため、水蒸気が原子炉内部から出てきている可能性も否定できません。つまり冷却がうまくいかずに内部の温度が上がっている可能性があるのです。
もっと深刻に感じるのは北茨城市で7マイクロシーベルトもの放射線量が12日に測定されていることです。ちなみに北茨城市は、福島県南部と隣接するところです。ここでこんなに高い線量が出たとなると、何か新たな事態があったことは十分に考えられます。
しかも原子力規制庁はこれを2週間も公表しませんでした。選挙の前に出したくなかったのではないか。つまり自民党が選挙で勝つために、地域の安全がまた踏みにじられたのではと疑念も感じざるをえません。いずれにせよ、規制庁が異常があってもすぐには伝えてくれないことがはっきりとしました。
これらから推論せざるを得ないのは、3号機がコントロールを逸脱しつつあるのではないか。すでに高線量の放射線が出る何かがあったのではないかということです。だとしたら、本気になって緊急に災害対策を進めねばなりません。
まず新たな核分裂に備える必要があります。東電がホウ酸水を準備しているのです。だとしたら市民の側が手をこまねいていてはいけない。何よりも重要なのは避難の準備を進めることです。さしあたっては以下の記事を参照してください。原子力災害対策のついての心得を添付しています。動画もあります。
明日に向けて(703)原発事故に備えて避難の準備を進めよう!
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/afc8cc8dbdd1b15aa9071bb5273771d1
さらにここに書けていなかったことですが、放射性ヨウ素の飛来にも警戒を強める必要があります。その場合、大事なのは安定ヨウ素剤の服用です。すぐにみなさんのおられる自治体にヨウ素剤の備蓄はあるのか、どこにいけばもらえるのかなど、問い合わせてください。
自治体から得られない場合、ネットでサプリメント製品なども手に入れられますが、僕が責任をもってお勧めできるものはまだありません。代わりにヨウ素剤の問題を真摯においかけている友人の以下のサイトに米国FDAサイト掲載の緊急時のヨウ化カリウムの作り方が掲載されているのでぜひ参考にしてください。
MICKEYのブログ
http://blogs.yahoo.co.jp/ueda_beck
もっと簡単な手としては昆布のだし汁を作って飲むことです。これでもヨウ素が採れます。たくさん煮出して5杯以上飲めばかなり足りるのではと思えます。
ただし昆布がどれぐらいの大きさで何枚とか、僕も量を正確には把握していません。多く飲んでもほとんど問題はないので、たくさん煮出しておくと良いと思いので最初にたくさん飲んで、毎日、飲み足すといいです。
副作用についてですが、安定ヨウ素剤で副作用が起こる確率は、インフルエンザ予防注射のアナフラキーショックの確率0.01%の20分の1です。非常に少ない。私たちが病院などからもらってくるあらゆる薬の方がリスクが高いです。
それでも安定ヨウ素剤の副作用が過度に強調されているため、服用したときにプラセボ効果でショックを起こしてしまうことがあります。何か起こるのではないかという心理的な心配が症状を引き起こしてしまうのです。その場合、心臓がドキドキしたりして不安に襲われます。というか不安が倍増します。
これへの対策としては一人で飲まず、誰かと一緒に飲むことです。ショックが出るのは30分以内ですので、その間、大丈夫だったら問題なしです。周りに人がいると安心度が高まるので、プラセボ効果にはまる可能性もぐんと下がります。なので一人で飲んで問題はありませんが、心配なら誰かと一緒に飲んでください。昆布の出し汁でも心配な方は同様にすると良いですが、昆布だしの味噌汁を飲んで変な状態になった経験がなければまったく問題はありません。
このことを付け加えておきます。
なお避難に踏み切るかどうかはそれぞれの判断にお任せせざるをえないのですが、どこかで急激に放射線値があがったときは要警戒です。あらかじめどれぐらいのことがあったら自分が避難に踏み切るのかを考えてください。その場合も想定外のことがいろいろと起こりえるので、すべてをシミュレーションすることは不可能ですが、このように考えをめぐらしておくだけで、心の構えを作り出すことができます。そうでないと正常性バイアスにつかまり、事態をより軽くみようとする心理が働くので、ぜひ構えを作り出してください。
またしばらくは必要のない外出はお控えください。必要なときは、マスク、帽子を必ず着用し、しつこいぐらいうがいと手洗いを行ってください。家に入るときは最低でも服をはたいてから入ってください。こうしたことも実質的な効果とともに心の構えを作り出すことにつながります。
起こるかどうかわからない災害に備えることは心理的に辛いものがあります。しかし多くの災害が「忘れたころにやってくる」教訓を訴えています。防備を絶やすなという教訓です。ぜひ3号機のこの現状への構えを作り出し下さい。
みなさんの安全を心からお祈りしています。