守田です(20180528 23:00)
この間、原発の再稼働が少しばかり続きました。
講演にいくとよく「なぜ再稼働は止められないのか」という質問を聞きます。そのとき強調する僕の答えはこれです。
「いや、ほとんど止めてますよ!再稼働しているのはほんのわずかですよ!もっと自信を持ちましょう」。
具体的に見てみましょう。福島原発事故以前、この国にはもんじゅや普賢などをあわせて59基の原子炉がありました。
まさに「稼働が止められない」状態でした。しかし福島原発事故後は劇的に情勢が変わった。人々の意識が劇的に変わったからです。
59基のうち、廃炉が決まったのは実に三分の一の20基。私たちはすでにこれだけの廃炉決定を実現してきました。
このため現在この国の稼働可能とされている原発の数は39基ですが、そのうちでも動いているのはたった4基!
玄海3号機、高浜3号機、大飯3,4号機のみです。以下に一覧を示します。
泊原発3基 停止中
東通原発1基 停止中
女川原発3基 停止中
福島第二原発4基 停止中
東海第二原発1基 停止中
柏崎刈羽原発7基 停止中
浜岡原発3基 停止中
志賀原発2基 停止中
敦賀原発1基 停止中
美浜原発1基 停止中
大飯原発2基 2基稼働中
高浜原発4基 1基稼働中 3基停止中
島根原発1基 停止中
伊方原発1基 停止中
玄海原発3基 1基稼働中 2基停止中
川内原発2基 停止中
稼働可能な原発のうち1割しか動けていない。福島原発事故以前の総数からいえば1割どころか6.8%しか動いていない。
それでどれぐらいの発電をしているのでしょうか。
isep環境エネルギー研究所の調べでは2017年の原発の発電量は日本全体の発電量のわずか2.8%です。太陽光と比べても半数しかないのです。
2017年暦年の国内の全発電量に占める自然エネルギーの割合(速報)
2018年4月11日
https://www.isep.or.jp/archives/library/10930
ようするにこの国はいまだにほぼ原発ゼロ状態なのです!97.2%の電気を原発以外で賄っているのです。
私たちは経済大国であろうとも原発がなくても何も困らないこと、十二分にやっていけることを証明し続けているのです。
もちろん4基動いているだけでも怖い!だから原子力災害対策をしっかりと行わなければなりません。
原発は運転が止まっても核燃料プールがある限り危ないから災害対策はまだまだ続けていく必要がある。
それでも私たちは20基の廃炉を実現し35基を止めていることにはもっと自信と誇りを持っていい!
世界が私たちをみて「なんだ、原発なんていらないんだ」とどんどん気づきだしています。
ぜひ明日の朝、出会った方にこの点をお伝えください!