明日に向けて

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明日に向けて(1576)北海道胆振東部地震も「ひずみ集中帯」地震だった!

2018年09月13日 23時30分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20180913 23:30)

9月6日に未明に起こった北海道胆振東部地震、これもまた「ひずみ集中帯」として一部の方たちから警戒を示唆されていた地域での地震であることが見えてきました。
この点を報じた読売新聞の記事をご紹介します。

震源域「ひずみ」蓄積しやすく…関東地方にも
読売新聞 2018年09月08日 15時11分
https://www.yomiuri.co.jp/science/20180908-OYT1T50066.html

● 「ひずみ集中帯」地震とは何か

この国は地球を覆う10のプレートの4つがひしめき合う世界有数の地震地帯。列島が乗っている北米・ユーラシア両プレートの下に海側から来る太平洋・フィリピン海両プレートが潜り込んでいます。
このとき一緒に巻き込まれた陸のプレートが跳ね上がって起きるのが海溝型地震で東日本大震災がそれでした。静岡以西では東南海トラフ地震がいつまた来るか分からない状態です。
一方、こうして海側から押されることが列島に「ひずみ」を作り、それで起こるのが「ひずみ集中帯」地震で、9月6日に北海道で起こったマグニチュード7(厚真市)の地震もそれでした。

注意を要するのはこの地震がこの間、頻発していることです。海溝型地震であった東日本大震災後の7年余りの間に6回も起こっています。一覧を示します。

2014年11月の長野県北部地震の際にANNがこの地震と「ひずみ集中帯」の関連について報道していた動画がありましたのでご紹介しておきます。
https://www.youtube.com/watch?v=2CStXfH9zUI

● 苫東厚真発電所も「ひずみ集中帯」地震で激しく壊れた

今回の北海道胆の地震もこの「ひずみ集中帯」で起こったのですが、この際、北海道が大停電してしまったのも根本要因はこんな危険地帯で北海道一の出力を誇る火力発電所が稼働していて、壊れてしまったことにあります。
北海道新聞によると苫東厚真発電所は地震発生の3時8分に2号機と4号機(合計出力130万キロワット)の蒸気を運ぶボイラー管が縦揺れに耐えきれずに損傷、停止しました。北電は全道の電源の4割を失いました。
これに対しただちにこの失った電源に見合うだけの需要を一時的に切り離す「負荷遮断」が自動でに行われ、道北・函館などが停電しました。すべての発電所が停止すると再稼働のための電力が無くなるため、意図的に行われた停電でした。

一方で3時11分に「北本連系線」がフル稼働しました。北海道と本州を結ぶ電線で、どちらかの地域で需給バランスが崩れると、自動的に電気が送られる仕組みになっていて、最大量の60万ワットが本州から送られ始めました。
この時点で道内の需給バランスは不安定ながらも保たれていて北海道の全電源が落ちてしまうブラックアウトは避けらるかに見え、3時15分には釧路などでいったん停電が解消されました。
ところが3時25分に1号機(35万ワット)のボイラー菅破損がひどくなり耐え切れずに自動停止。これによって需給バランスが再び大きく崩れ、道内の他の発電所も次々とダウン。北海道がブラックアウトしたため本州からの送電もできなくなったのでした。
ただし泊原発の近くにある後志管内倶知安町や岩内町ではなお3時28分まで通電していました。北海道新聞は北電が泊原発の外部電源喪失を恐れ、なんとか維持しようと何らかの措置をとったのではと推測しています。記事を示しておきます。

全道停電まで緊迫の18分間 泊原発への電力供給維持に手を尽くす?
北海道新聞 9/13(木) 19:31配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180913-00010003-doshin-hok

続く

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