明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(1983)宮城県・福島県で震度6強の地震発生!さらなる地震に警戒を

2021年02月14日 11時00分00秒 | 明日に向けて(1901~2100)

守田です(20210214 11:00)

地震のエネルギーがまだまだ溜まっている可能性が

昨日2月13日午後11時7分に宮城県と福島県で最大震度6強を観測する地震が発生しました。
この地震でいまのところ100人の方がケガをされたと伝えられています。お見舞い申し上げます。
一方、亡くなられた方の情報はまだ入っていません。また深刻な家屋の倒壊、大きな事故の発生も入っていません。原発も福島5,6号機の燃料プールから水が溢れたこと以外、特段の異常の報告は出ていません。

気象庁はこの地震は10年前の「東日本大震災を起こした地震の余震と考えられる。今後一週間程度、同規模の地震に注意して欲しい」と呼びかけています。
実際に2016年4月に発生した熊本地震では14日21時26分に震度7(最大震度)の地震が発生し、さらに16日1時25分にも震度7の地震が発生しました。この間の15日0時3分にも震度6強の地震が発生し、16日以降も地震が続きました。
同じようなことが起こらないことを祈るばかりですが、可能性は高いです。十分な備えが必要です。震源地に近い方は避難の準備も含めてぜひとも備えを逞しくしてください。


tenki.jpより


地震の可能性が高まっているのは東北だけではない

同時にぜひとも今回の地震を「他人ごと」にせず、それぞれのお住まいの地域で地震対策を強めていただきたいです。
こう書くのは2020年は日本中のどこでも大きな地震(震度6弱以上)が起きなかったからです。震度5弱以上が4回。反対に言えばその分、エネルギーが溜まっており、いつ大きな地震が起きても不思議ではない状態と考えた方が良いです。
この点、昨年末に行った連載「原発からの命を守るために」の中で詳報しましたが、(明日に向けて1940など)再度、同じことを書いておきます。

2020年の震度5弱以上の地震は3月13日石川県能登地方地震(震度5強・M5.4)、6月24日千葉県東方沖地震(震度5弱・M6.2)、9月4日福井県嶺北地震(震度5弱・M5.0)、11月24日茨城県沖地震(震度5弱・M5.7)だけでした。
これに対して2019年には震度5弱以上の地震が9回、2018年には11回起きました。しかも4月島根県西部地震が震度5強、5月長野県北部地震が震度5強、6月大阪府北部地震が震度6弱とより大きな地震が多発しました。
9月には北海道胆振東部地震(震度6強)が起こり、北海道が一次全域でブラックアウト。大阪と北海道の地震では犠牲者も出てしまいました。こうした震度5弱以上の地震は2017年は8回、2016年熊本大地震を含め33回でした。

日本列島では地震は周期的に必ずおきます。とくにプレートのぶつかりから生じる海溝型地震とひずみ集中帯地震は必ず起こる地震です。
それらから2020年は地震が少なかった分だけ、地震のエネルギーがより溜まっていると考えるべきです。


地震・火山月報のデータを合成


ひずみ集中帯地震も怖い

海溝型地震、内陸地震、いずれも怖いですが、注目すべなのは最近になってはじめて発生の仕組みがつかめだしたひずみ集中帯地震です。
海溝型地震は、海側からプレートが押し寄せてきて、列島が乗っているプレートの下に潜りこむ状態の中で発生する地震です。潜りこむときに列島のプレートの一部を巻き込むのですが、それが一定の間隔ごとに元に戻る際に発生するのです。
ひずみ集中帯地震は、それまでの間、海側から押されてできた「ひずみ」で発生する地震ですが、分かったのは1995年の阪神大震災後。GPS機能が発達し、精密な地震観測が可能になったためでした。

大事なのはこの国の地震対策がそれ以前に作られていて十分に更新されていないこと。とくに原発のほとんどがそれ以前に建てられたことです。「ひずみ集中帯」など知らずに建設を進めてしまったのです。
北海道地震で大停電が起こったのも「ひずみ集中帯」の上に北海道の電力の半分も賄う火力発電所が置かれていたためでした。地震で激しく壊れてしまい、北海道全体がブラックアウトになる引き金となったのでした。
これが冬だったら大惨事になっただろうし、同じようなことが原発で起こったら、福島原発事故の再来になりかねませんでした。福井の原発銀座も世界最大規模の柏崎刈羽原発もひずみ集中帯の上!絶対に動かしてはならないのです。

ともあれ大事なのは、次の地震に備えること。やはり宮城・福島県は可能性が高いので震度6強以上に備えてください。でも日本中の他のどこでも大きな地震が起こって不思議はないのです。逞しく備えましょう。
ご家庭での対応のノウハウなどがたくさんネットで流されているので、対策を重ねてください。1人1人が小さな対策を積み上げておくことで、地域全体として地震への強さが高まります。
また原発との関係ではぜひとも万が一の避難を考え計画しておいてください。稼働原発に近い方(半径250キロ以内の方)は安定ヨウ素剤も手に入れて下さい。大災害から命を守りましょう。


ANNの報道より

#震度6強 #宮城福島 #海溝型地震 #ひずみ集中帯 #地震と原発  

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