明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(2118)原発事故に備えるためにー原子力災害対策は原発の危険性の認知を広げるためにも有効(20日にヨウ素剤配布会を行います)

2021年11月17日 23時30分00秒 | 明日に向けて(2101~2200)

守田です(20211117 23:30)

総選挙を越えて、今一度、原発から命を守る行動を呼びかけたいと思います。

原発再稼働の意味するもの

この間、原発は西日本でだけ再稼働しています。現在、再稼働が許可されているのは川内2、玄海2、伊方1、高浜2、大飯2、美浜1、合計10基ですが、川内、伊方、美浜が1基ずつ停まっていて、動いているのは7基です。
この全ての原発が、新規制基準で設置が義務付けられた「特定重大事故等対処施設」を、元々の期限までに作りませんでした。期限は再延長されましたが、川内、高浜、伊方、美浜は期限までにできずにいったん停止ししました。

玄海、大飯原発にいたっては、期限が2022年夏に設定されていて、いまもこの設備なしでの運転を続けています。なんのことはない。新規制基準はいまだにきちんと適用されていないのです。動いている7基中4基が、この設備なしのままです。
しかも電力会社各社は、当初設置を約束した「免震重要棟」を反故にしてしまいました。福島原発事故時に故吉田所長らが指揮を執りビデオ会議の様子が流れた、揺れを吸収してくれるからこそ会議などができた建物ですが、作らないという。

さらに再稼働を目指していた東電柏崎刈羽原発でも、信じがたいセキュリティの形骸化が発覚しました。同じく伊方原発でも、緊急時に備えておかねばならない職員の無断外出が構造化していました。現場で真剣に安全対策を考えているとは思えないことばかりです 。
ここから透けて見えてくることは、電力会社や現場の作業者たちが、実は原発は過酷事故が起きる可能性が十分あり、しかも一度、過酷事故が起こってしまえば、いまなされている対策などほとんど役に立たないことを熟知していることです。

それでもなぜ、自公政権や財界は原発再稼働を続けているのか。理由は一つ。多くの人々が災禍にまみれようとも、一握りの人々が大儲けすれば良いと考えているからです。実はこれこそが資本主義社会の根本を貫いている価値観です。
かつて、この構造の中で起こったのが水俣病の惨禍でした。そしていま、水俣で起こったことが全国化されつつあります。膨大な人々が福島原発から出た放射性物質を浴びさせられたのに、補償もされず、いままた次の事故の可能性が高まっています。



美浜3号機は特重施設が完成してないのにわずか4カ月だけ強引に稼働させられた。新規制基準など適用されていない。


小さな安定ヨウ素剤を持つことから

これに対してどうしたら良いのか。一つには原発を止めるために努力することです。それぞれが自分の得意な形、領域で動きましょう。何が特効薬というわけではありません。みんなで創意工夫して色々なところから声を高めましょう。
もう一つは原子力災害対策を強めることです。そのためにまずは安定ヨウ素剤を確保しましょう。配布を進めましょう。これを持つことで、原子力災害対策の一歩が記せます。誰にでもすぐにできる一歩です。

安定ヨウ素剤は、過酷事故の時に、真っ先に原子炉から放出される放射性ヨウ素の飛来の前に飲むことで、甲状腺を被曝から守るお薬です。みそ汁のだし汁を濃くしたほどのもので、副作用などほとんどないものです。
この配布を進めるのは、いざという時に甲状腺を守る実効性があるからであるとともに、この薬を手にすることで、原発事故のリアリティを知ることができるからです。

実はだからこそ政府は、福島原発事故まで安定ヨウ素剤をまったく配布してこなかったのです。いやその後も配布を5キロ圏内にとどめ、せいぜい30キロ圏内まで認めているだけです。「事故が起きても30キロ圏外は大丈夫」と言わんがためです。
もちろんそんなのまったくのウソです。もっと広範な地域が危ない。福島原発事故時の政府のシミュレーションは170キロ圏内が強制移転、250キロ圏内が任意移転でした。故吉田所長は「東日本壊滅」と言いました。これを忘れてはいけない。


故吉田昌郎福島第一原発所長の「東日本壊滅と思った」という述懐を載せた毎日新聞 2014年8月31日

このリアリティを広げるためにも、行政にかけあって配布を行ってもらうことと、自主配布を進めて、まずは見の周りの人に安定ヨウ素剤を持ってもらうことを進めていきましょう。
京都市では11月20日(土)午後2時~4時に、左京区の健らいとで配布会を行います。お近くのかた、ぜひとりに来てください。遠くの方もぜひこの取り組みにご注目下さい。

以下、配布会に向けた動画を紹介します。原子力災害対策の要を分かりやすく解説しています。

配布会の詳細を記したFacebookページもご紹介しておきます。
初期ひばくを防ぐためのーヨウ素剤配布会vol.2
https://www.facebook.com/events/258489332997292

原発を止める運動と共に、原子力災害対策を広めていきましょう!

#原発過酷事故 #福島原発事故 #原発一サイトで日本半分が壊滅 #170キロ圏内強制移転 #250キロ圏内任意移転 #原子力災害対策 #安定ヨウ素剤 #ヨウ素剤配布を進めよう #安定ヨウ素剤自主配布会

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