第二十章:スラヴの歴史の神格化 — 人類のためのスラヴ民族

スラヴ叙事詩最後の作品。
ここまで描かれてきた歴史の集大成であり、スラヴ民族の独立を祝う作品である。
この作品ではテーマごとに特徴的な色彩が用いられている。
右下の青で描かれた部分は太古の神話に近い時代を表している。
上方の赤はフス戦争によって多くの血が流れた中世を表しており、その手前、暗い影として描かれているのはスラヴ民族を脅かす敵対勢力である。
中央の黄色は第一次世界大戦で祖国のために戦った男女で、オーストリア=ハンガリー帝国の終焉とスラヴ民族の新しい時代が始まることを象徴している。
中央に大きく描かれた青年像は、新しいチェコの自由と独立を表し、その背後にはキリストが描かれ、スラヴ民族の独立と繁栄を見守っている。
作品が完成したときすでに10年前に独立を果たしていたチェコスロヴァキア共和国と国民からは「スラヴ叙事詩」は、メッセージも絵画作品としても、時代遅れの"お荷物"とされ、プラハから遠く離れたモラヴィアの古城に閉じ込められてしまったのです。
「スラヴ叙事詩」が完成した1928年頃は、独立直後の混乱も落ち着いて、チェコの歴史上で最も幸せな時期でした。幸せのただ中では"未来の希望"のメッセージなど無意味であり、耳を傾ける必要などいまさらまったくないと思われていた時代だったのです。
しかし、その後のチェコスロヴァキア共和国は、独立後わずか20年でナチスドイツに解体されて占領され、第2次大戦後もソ連の共産党支配体制に組み込まれて、ふたたび独立するのはミュシャ没後50年の1989年になってからのことでした。
"時代遅れ"の忘れられかけた作品でしたが、20世紀の戦争と核の脅威、21世紀もテロと経済不況など先の見えない不安の歴史をくぐって「スラヴ叙事詩」のメッセージは、チェコ国民だけでなく人類に普遍のものと見なおされつつあり、世界中で再評価がはじまっています。
(出展先:Wikipedia ;ミュシャを楽しむために)
Musha展を観終えてから、民族ということについて考えさせられました。
日本には大和民族があり、北海道においてアイヌ民族、そして沖縄では沖縄(琉球)民族がある。
それをひとくくりにして、日本民族となるのでしょうか。
学問的なことはさておいて、また地理的なこともさておいて、心情的には日本民族だと思いたいのですが。

スラヴ叙事詩最後の作品。
ここまで描かれてきた歴史の集大成であり、スラヴ民族の独立を祝う作品である。
この作品ではテーマごとに特徴的な色彩が用いられている。
右下の青で描かれた部分は太古の神話に近い時代を表している。
上方の赤はフス戦争によって多くの血が流れた中世を表しており、その手前、暗い影として描かれているのはスラヴ民族を脅かす敵対勢力である。
中央の黄色は第一次世界大戦で祖国のために戦った男女で、オーストリア=ハンガリー帝国の終焉とスラヴ民族の新しい時代が始まることを象徴している。
中央に大きく描かれた青年像は、新しいチェコの自由と独立を表し、その背後にはキリストが描かれ、スラヴ民族の独立と繁栄を見守っている。
作品が完成したときすでに10年前に独立を果たしていたチェコスロヴァキア共和国と国民からは「スラヴ叙事詩」は、メッセージも絵画作品としても、時代遅れの"お荷物"とされ、プラハから遠く離れたモラヴィアの古城に閉じ込められてしまったのです。
「スラヴ叙事詩」が完成した1928年頃は、独立直後の混乱も落ち着いて、チェコの歴史上で最も幸せな時期でした。幸せのただ中では"未来の希望"のメッセージなど無意味であり、耳を傾ける必要などいまさらまったくないと思われていた時代だったのです。
しかし、その後のチェコスロヴァキア共和国は、独立後わずか20年でナチスドイツに解体されて占領され、第2次大戦後もソ連の共産党支配体制に組み込まれて、ふたたび独立するのはミュシャ没後50年の1989年になってからのことでした。
"時代遅れ"の忘れられかけた作品でしたが、20世紀の戦争と核の脅威、21世紀もテロと経済不況など先の見えない不安の歴史をくぐって「スラヴ叙事詩」のメッセージは、チェコ国民だけでなく人類に普遍のものと見なおされつつあり、世界中で再評価がはじまっています。
(出展先:Wikipedia ;ミュシャを楽しむために)
Musha展を観終えてから、民族ということについて考えさせられました。
日本には大和民族があり、北海道においてアイヌ民族、そして沖縄では沖縄(琉球)民族がある。
それをひとくくりにして、日本民族となるのでしょうか。
学問的なことはさておいて、また地理的なこともさておいて、心情的には日本民族だと思いたいのですが。
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