(十三)
「『親子の縁を切る』って、言ってましたよ。
よほどに嫌われたのね、あなたは。」
別れた妻に告げられた。
「会いたいんだが…」と、別れた妻を通して連絡を入れた後の返事だった。
以来、妻を経由しての手紙に対する返事は、一通もない。
もうすでに、子供たちと離れて、二年いや二年半か…。
毎月の養育費を送り続けていれば、子供たちの気も変わるかと半ば期待したけれども。
「養育費を送れば良いというものじゃないですからね。」
そんなきつい手紙を受け取ったばかりだ。
しかし案外、気が変わったのかもしれない。
それとも、今の今まで知らなかったのか?
「お風呂に入ったら、お父さん。
用意できてるよ。」
湯舟に浸かっていると、心底体が暖まる。
そしてまた今日は、娘が初めて来てくれた日だ。
ことさらに心身ともに、暖まる。
「あなた。背中を流しますから、早く上がって下さいな。」
別れた妻が、優しく声をかけてくる。
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