昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

[お取り扱い注意!]  (十三)

2013-08-09 18:54:49 | 小説

(十三)

「『親子の縁を切る』って、言ってましたよ。
よほどに嫌われたのね、あなたは。」
 別れた妻に告げられた。

「会いたいんだが…」と、別れた妻を通して連絡を入れた後の返事だった。
以来、妻を経由しての手紙に対する返事は、一通もない。

もうすでに、子供たちと離れて、二年いや二年半か…。
毎月の養育費を送り続けていれば、子供たちの気も変わるかと半ば期待したけれども。

「養育費を送れば良いというものじゃないですからね。」
そんなきつい手紙を受け取ったばかりだ。

しかし案外、気が変わったのかもしれない。
それとも、今の今まで知らなかったのか? 

「お風呂に入ったら、お父さん。
用意できてるよ。」

湯舟に浸かっていると、心底体が暖まる。
そしてまた今日は、娘が初めて来てくれた日だ。
ことさらに心身ともに、暖まる。

「あなた。背中を流しますから、早く上がって下さいな。」
別れた妻が、優しく声をかけてくる。


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