「入っておいでよ、早く。お父さんに会わせるって言ったでしょ!」
不機嫌な声で大きな声で、それでもどこか甘えた響きが感じられる声で、叫んだ。
おずおずと入ってきたのは、ひょろひょろとした青年だった。
百八十センチの身長だというのに、体重は五十キロ半ばだという。
「あたいのファンなんだって。毎週土曜日に来るんだ。
んでもってね、もう二ヶ月になるんだ。
んでもって、子どものオモチャみたいなのをプレゼントしてくれてさ、バカにしてるんだよ、こいつは」
青年をこずきながらも、目が笑っている。
「だからさ、あたいがさ、こいつのアパートに転がり込んでやったの。
んでもって、そうすりゃ、こいつ、あたいのことをイヤになってさ、あたいをさ、追い出すんじゃないかってさ、
んでもって、こいつのアパートで思いっきり泣いてやるんだ。
隣近所のばばあやらじじいどもに聞こえるようにさ。
んでもって、こいつにさ、あたいのことを、あたいのことを、
キライにさ、キライ…やだ、やっぱりイヤだ」
挑むような視線を見せていた女だったが、次第に泣き顔にそして涙声になり、最後には絶叫してしまった。
「分かった、分かった。俺から頼んでやるよ、この兄さんに。
大事にしてやってくれって言って欲しいんだな。
兄さん、こいつのこと、よろしく頼むよ」
「大丈夫です、大事にします。
サチ子さんだけなんです、ぼくなんかを相手にしてくれるのは」
不機嫌な声で大きな声で、それでもどこか甘えた響きが感じられる声で、叫んだ。
おずおずと入ってきたのは、ひょろひょろとした青年だった。
百八十センチの身長だというのに、体重は五十キロ半ばだという。
「あたいのファンなんだって。毎週土曜日に来るんだ。
んでもってね、もう二ヶ月になるんだ。
んでもって、子どものオモチャみたいなのをプレゼントしてくれてさ、バカにしてるんだよ、こいつは」
青年をこずきながらも、目が笑っている。
「だからさ、あたいがさ、こいつのアパートに転がり込んでやったの。
んでもって、そうすりゃ、こいつ、あたいのことをイヤになってさ、あたいをさ、追い出すんじゃないかってさ、
んでもって、こいつのアパートで思いっきり泣いてやるんだ。
隣近所のばばあやらじじいどもに聞こえるようにさ。
んでもって、こいつにさ、あたいのことを、あたいのことを、
キライにさ、キライ…やだ、やっぱりイヤだ」
挑むような視線を見せていた女だったが、次第に泣き顔にそして涙声になり、最後には絶叫してしまった。
「分かった、分かった。俺から頼んでやるよ、この兄さんに。
大事にしてやってくれって言って欲しいんだな。
兄さん、こいつのこと、よろしく頼むよ」
「大丈夫です、大事にします。
サチ子さんだけなんです、ぼくなんかを相手にしてくれるのは」
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