昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

ブルー・じゃあず ~二十歳の詩(うた)~ (七)

2010-03-31 21:13:21 | 小説
以前は、
ドアの向こう側に興味を持ったような記憶もあるが、
それとてすぐに消えてしまう程つまらない些細なものだった。

音がするでもないドアの開閉の折りに瞬時見えたのは、
同じようなドアと廊下だった。

窓の外にはポプラがそびえ立ち、
その葉を透ける太陽の光、
そして遙か彼方の霞にかすむ山々の連なり。

何よりも、
どこかにあるのだろう滝のゴーゴーという轟音と、
水しぶきがキラリキラリと光るさまが目に浮かぶ。

そして小鳥のさえずり。

窓の外には、
生きた音があった。

晴れた空では、
どこまでも青い空があり、
そこに一つ二つ・・・と
流れる白い雲。

やがて日が暮れるにつれ、
赤く染まりゆく、
全てのもの。

雨の空では、
濃淡の激しい灰色の雨ー
白なのか、
銀なのか、
はたまた緑・・・

色のあるような、
ないような、
絹糸の如き雨。


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