昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

蒼い恋慕 ~ブルー・れいでぃ~ (ふん!)

2010-01-06 19:52:58 | 小説
いかにも遊びなれた男を演じるべく

その実、遊び人の表情を知らないけれども

口を真一文字に結んでいる。

ニヤけた顔にならぬようにと気を付けながらも、
薄笑いを浮かべた表情をと考えている。

そのくせ眉をひそめて
“ふん”と
鼻をならすことを忘れぬようにしている。

時折、店の前にたむろするホステスが少年をからかう。

「ねえ、ボーヤはもう寝る時間でしょ。」

少年は
できるだけ平静を保ちながら、手を二度横に振る。

二度でなければならぬ、と決めている。
銀幕のアクションスターがスクリーンで見せた仕種が、
目に焼き付いている。

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