灯りのついた局に耳を当て、
中の様子を窺ってみた。
物音一つしない、
微かな寝息が聞こえるだけだ。
障子の敷居に油を流し、
音を立てずに開けた。
建具職人時代に覚えたことだ。
灯りが庭に洩れる。
次郎吉は、
すぐさま辺りを見回し、
物音を聞くために耳をそばたてた。
“ふっ。
みんな、
寝入っているな。”
そっと障子を閉じた。
女だてらに酔いつぶれた腰元五人が、
深眠していた。
乱れた裾から、
白いおみ足が覗いている。
帯を解いて、
伊達締め姿の腰元も居た。
次郎吉は、その醜態を一瞥すると、
“ふん”と鼻を鳴らした。
女好きの次郎吉ではあるが、
あの一件以来、
腰元に対しては
憎悪の念以外は持たなかった。
横たわる腰元達を避けながら、
棚の上の手文庫を開け、
中の小判を手にした。
どうやら、
腰元らの持ち金らしい。
中の様子を窺ってみた。
物音一つしない、
微かな寝息が聞こえるだけだ。
障子の敷居に油を流し、
音を立てずに開けた。
建具職人時代に覚えたことだ。
灯りが庭に洩れる。
次郎吉は、
すぐさま辺りを見回し、
物音を聞くために耳をそばたてた。
“ふっ。
みんな、
寝入っているな。”
そっと障子を閉じた。
女だてらに酔いつぶれた腰元五人が、
深眠していた。
乱れた裾から、
白いおみ足が覗いている。
帯を解いて、
伊達締め姿の腰元も居た。
次郎吉は、その醜態を一瞥すると、
“ふん”と鼻を鳴らした。
女好きの次郎吉ではあるが、
あの一件以来、
腰元に対しては
憎悪の念以外は持たなかった。
横たわる腰元達を避けながら、
棚の上の手文庫を開け、
中の小判を手にした。
どうやら、
腰元らの持ち金らしい。
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