或夜のことでございます。
私と妻は、
一つの布団におりました。
が、
急に妻が起きあがるのでございます。
あっ申し訳ありません、
夢でございます。
ご承知おきください。
未だ、
別の部屋での就寝でございます。
私の腕の中からすり抜け、
誰か男の元に、
走っていくのでございます。
一糸まとわぬ姿で、
その男にすがりつきます。
私は妻を追いかけると共に、
その男を見ました。
とっ!
何ということでしょう、
あの青年だったのでございます。
娘の婚約者でございます。
私自身めが、
そうなることを望んでいたが為のことかもしれません。
その時、
私がどんな思いで妻を連れ戻したことでしょう。
とても、
これだけはお話し致すわけにはまいりません。
唯その後、
年甲斐もなく激しく燃え、
嬌声を発しながら、
力のあらん限りをつくし、
荒々しく抱きしめておりました。
ふと気が付きますと妻の身体に、
鳥肌が立っております。
心なしか痙攣を起こしているようにも見えます。
私は、
思わず手の力を緩め、
顔を上げました。
と、
何ということでしょう、
これは。
あぁ、
お願いでございます。
私めを、
このカミソリで殺してください。
もうこれ以上の苦痛には耐えられません。
そう、
そうなのでございます。
妻、
だったはずが、
娘だったのでございます。
私は、
犬畜生にも劣る人間、
いや、
鬼畜でございます。
ふふん。
しかし、
あなた方とて
そのような気持ちを
抱かれたことはある筈です。
よもや、
無いとは言われますまい。
まして、
血の繋がりの無い娘でございます。
私の立場でしたら、
あなた方だって、
きっと、
きっと。
ふふふ・・。
申し訳ございません、
取り乱してしまいました。
お話を続けましょう。
私と妻は、
一つの布団におりました。
が、
急に妻が起きあがるのでございます。
あっ申し訳ありません、
夢でございます。
ご承知おきください。
未だ、
別の部屋での就寝でございます。
私の腕の中からすり抜け、
誰か男の元に、
走っていくのでございます。
一糸まとわぬ姿で、
その男にすがりつきます。
私は妻を追いかけると共に、
その男を見ました。
とっ!
何ということでしょう、
あの青年だったのでございます。
娘の婚約者でございます。
私自身めが、
そうなることを望んでいたが為のことかもしれません。
その時、
私がどんな思いで妻を連れ戻したことでしょう。
とても、
これだけはお話し致すわけにはまいりません。
唯その後、
年甲斐もなく激しく燃え、
嬌声を発しながら、
力のあらん限りをつくし、
荒々しく抱きしめておりました。
ふと気が付きますと妻の身体に、
鳥肌が立っております。
心なしか痙攣を起こしているようにも見えます。
私は、
思わず手の力を緩め、
顔を上げました。
と、
何ということでしょう、
これは。
あぁ、
お願いでございます。
私めを、
このカミソリで殺してください。
もうこれ以上の苦痛には耐えられません。
そう、
そうなのでございます。
妻、
だったはずが、
娘だったのでございます。
私は、
犬畜生にも劣る人間、
いや、
鬼畜でございます。
ふふん。
しかし、
あなた方とて
そのような気持ちを
抱かれたことはある筈です。
よもや、
無いとは言われますまい。
まして、
血の繋がりの無い娘でございます。
私の立場でしたら、
あなた方だって、
きっと、
きっと。
ふふふ・・。
申し訳ございません、
取り乱してしまいました。
お話を続けましょう。
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