昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

愛・地獄変 [父娘の哀情物語り] (三十六)

2010-12-17 22:13:01 | 小説
それから三年程経ちましたでしょうか、
二十歳の秋の終わりでございました。
高校卒業後、
大学には行かずに勤めに出ておりました。
そのことでも、
妻と一悶着ありました。
私は娘の好きなようにするがいいと申し、
妻は是が非でも進学をと言い張りました。
妻の気持ちも分かりますが、
いや本当のところは
私としましても大学生活を
味わってもらいたいと思ってはいました。
しかし、
娘に反対する勇気が無かったのでございます。
惚れた弱み、
あっいぇ、・・・
お忘れください。
幸い、
私どもの取引先の穀物問屋に
お世話になることができました。
その穀物問屋は先代からの取引先で、
妻も良く知っている所でございます。
故にまあ、
妻も渋々承知しました次第で。


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