フルバンドによる演奏がダンス音楽に変わり、
中央のホールに男女が集まり始めた。
五平はミドリに促されて、
その一群の中に入った。
三人の若者たちは、
梅子の音頭下でじゃんけんゲームに興じている。
今で言う王様ゲームのようなもので、
嬌声と歓声の渦だった。
「五平ちゃん、
今夜は泊まっていく?」
「あぁ、そうだな・・。
しかしミドリの部屋に泊まると、
必ずおねだりをされるからな。」
「何、言ってんの。
お金は遣うために稼ぐんでしょうが。
五平ちゃん。
お金は墓場まで持って行くことなんて、
出来ないの!
それに、
それだけの価値が有るでしょうに。」
ぴったりと寄り添いながら、
ミドリは五平を艶かしい目付きで見上げた。
「何か、
欲しい物でもあるのか?」
「うん!
キツネの襟巻きが欲しいの。
この間、
オンリーが身に付けてたの。
負けてられないわよ。」
「ふーん・・」
虚栄心の塊であるミドリに、
最近辟易し始めている五平だった。
“そろそろ・・かな、
この女とも。”
そんな事を考えながら、
何気なく他のボックスの客に目を流した。
中央のホールに男女が集まり始めた。
五平はミドリに促されて、
その一群の中に入った。
三人の若者たちは、
梅子の音頭下でじゃんけんゲームに興じている。
今で言う王様ゲームのようなもので、
嬌声と歓声の渦だった。
「五平ちゃん、
今夜は泊まっていく?」
「あぁ、そうだな・・。
しかしミドリの部屋に泊まると、
必ずおねだりをされるからな。」
「何、言ってんの。
お金は遣うために稼ぐんでしょうが。
五平ちゃん。
お金は墓場まで持って行くことなんて、
出来ないの!
それに、
それだけの価値が有るでしょうに。」
ぴったりと寄り添いながら、
ミドリは五平を艶かしい目付きで見上げた。
「何か、
欲しい物でもあるのか?」
「うん!
キツネの襟巻きが欲しいの。
この間、
オンリーが身に付けてたの。
負けてられないわよ。」
「ふーん・・」
虚栄心の塊であるミドリに、
最近辟易し始めている五平だった。
“そろそろ・・かな、
この女とも。”
そんな事を考えながら、
何気なく他のボックスの客に目を流した。
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