昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

[ライフ!] ボク、みつけたよ! (二十三)血の池地獄ですね、

2025-02-06 08:00:50 | 物語り

 血の池地獄ですね、そうでした。ちょっと気をゆるすと、すぐに横道にそれちゃいます。
性格が移り気というわけではないですよ。
気が散りやすい、これは当てはまるかもしれませんが。
どこが違うんだ! とお叱りを受けそうですが、集中するときは集中しますんでね。
 はい、これからは愚痴のオンパレードになります。覚悟して読んでくださいね。
「いままでだって十分に愚痴だらけだったぞ」ですって? 
すみませんねえ、わたし自身はそんな風には考えていなかったものですから。

 google mapで確認しますと、「距離は2.6kmで、歩いて34分」とあるんですよね。
それで、地図上に貴船城があるのですが、右手に見ながらのルートになっています。
が、が、です。わたしは左手に見ながら歩いたわけです。
ということは、より海岸寄りに歩いたことになります。
時間にしても、実感として1時間近く歩いた気がするのですわ。
まあねえ、歩行速度というものは、個人差がありますしねえ。
これはねえ、とんでもハップン! なわけですよ。

 歩けどあるけど、まったく着きません。
まあその分、たしかに景色は堪能できました。
できましたよ、たしかに。
大きな海原で、ところどころ白波が立っています。
はるか向こうにはだけど、舟も見えます。
フェリーは見えないかと目をこらしてみますが、いませんねえ。
というより、このお昼の時間帯に走っているわけなんかないでしょう。
なにしろ、早朝の到着なんですから。
馬鹿ですわ、わたしも。ない物ねだりなんかしちゃいました。

 別婦湾は広いですからねえ。同じような風光ばかりですからねえ、じっさいの所は。
飽きてきました、少々。
道路の左に、「貴船城入り口」なんて立て看板があります。
あの坂を登っていくのか、ご苦労さんなこった。そんな思いしか湧きません。
とてもじゃないですが、登っていこうなんて気はおこりませんて。
いや、この崖が石垣なんだ、結構に苔むしている箇所があるし。
案外このひとつひとつの岩石に家紋が掘られていたりして。
そう、あそこの蔵が物見櫓だ。

――・――・――
(二十三)の2

「どう見たって蔵ではない、たんなる物置小屋だろ」。
そんな身も蓋もないことなんか言わないいでくださいな。
ほら、そこの狭い半間程度しかない登り口があるじゃないですか。
あそこを武士たちが歩いて登城したんですよ、そう思って見てくださいな。
想像の翼がたりないって、あの人に叱られますよ。
それにしても疲れました。体が、くの字に曲がります。
腰がビリビリと痛みます。腰を伸ばしてみますが、すぐにまたくの字に曲がってしまいます。
こりゃまずいです、杖が必要です。

 じつは、山道を登るときに使う、なんて言いましたっけ、トレッキングポール(ウォーキングポール)を買っているんです。
あれは良いですねえ、楽です。といっても、今日は持ってきていないんです。
よし! あれをやろう。浮遊術です。
大きく息を吸って吐いてえ、体を心底軽くして、ふわっと浮かせる……。
子どものころ、よくやりました。

布団のなかで、目を閉じて、ゆっくりと深呼吸して、大きく手をひろげて、かるく地面を蹴ります。
それでふわっと体が浮いて、ゆっくりと体がうかんでいきます。
水泳の平泳ぎのように手足を大きく動かしてます。
グングンと上昇して、右折するには体を右にかたむけ、左折時は左へとかたむけます。
下降するときは両手を体にピッタリとくっつけます。
そして地面ちかくになったら、顔を上に上げて両手を広げます。
そして着地です。
そう! まるで映画のスーパーマンですわ。



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